第1章2節 自分達と同族か?
「ああっ!」
水中でそのシンタの声が聞こえたかどうかは定かでは無い。しかし、アカネは真っすぐに泳ぐと、『ガラーク』の口をめがけて、ぐさりとサーベルを突き立てたのだった。彼等の泳ぎは、なかなかのものだったが・・。ぐ・・ぐががが・・
しかし、悶える『ガラーク』は、回転する・・その回転によってごおっつ!と水が回転し、その渦に巻き込まれたシンタ、リンドウは、バシューーンと尾で叩かれ、水面に跳ねだされたのであった。
「アカネっ!」
シンタが叫ぶ。体制を立て直す間も無く、今度はリンドウも水面に叩き出された。
「ああっ!」
全ては一瞬の出来事なのだ。水中とは言え、地上とまるで変らぬ全ては高速な動きによって進行する中で、ザバーーーーンっ!『ガラーク』は水面に出て来る。その口先には、確かにアカネが居た。
「あああっ!アカネっ!」
今にもアカネは食われそうになっていた。しかし・・アカネは冷静であった。
「食らえっ!今度は湖の中では無い、空中だからね、火の球だよっ!」
ごおおおおっ!アカネは、ソードの火系の攻撃を恐らくシンタにすら見せた事の無いとんでも無い大きさで、その鼻先を焦がせると、一気に『ガラーク』は火だるまになって行くのだった。
シンタはその機を逃さなかった。彼も冷静さを保っていたのだ。
「おおおっ!『ガラーク』が丸焦げになった。よしっ!リンドウ。お前のこいつを大太刀で切れっつ!切りまくれっ!俺もやるっ!」
「おうっ!」
スバ、ズバババ、バシュン、ガシッツ・・彼らは力の限り、もうめちゃくちゃな形振り構わない攻撃で硬い鱗である『ガラーク』を切り刻むのであった。そして半刻が過ぎた。その『ガラーク』は、途中までは再生していたが、やがて・・肉片は水上に浮かび、再生しなくなった。
何と・・もうアカネは、その肉を口一杯に頬張っているでは無いか。




