こうして、時は過去に繋がる
奇襲攻撃であった。つまり、地雷を仕掛けていたのである。SI軍団が勿論通る時に仕掛けていたのなら、これは事前にばれてしまうが、遠隔操作で、中団の戦車が通り過ぎた後方の戦車のタイミングを見計らい、複数台の戦車が破壊された模様だ。
その声は、優達にもしっかりと聞き取れた。SKIが分析する。
「ほう・・これが今回の戦車隊を指揮する司令官の声か」
「今、日本語では無かったですか?」
即座にサネアツが気づいた。
「ふふ・・どうやら、我々はとんでも無い敵と戦っているようだ。SI軍団とは、ワクイの残した本隊では無いのか?あの最後の言葉が、これを示唆していたのだとしたら、完全にワクイがSIに飲み込まれたと同時に、ワクイの仕掛けたプログラムも、その本体を書き換えたのかも」
「何と・・一体ワクイとは何者なんでしょうか・・だが、それ以上の事をやってのける存在があったと言う事・・ここまで来ると、沢木 純と言う存在に当時ライバルが居たんですね?」
サネアツらしい瞬間的な分析であった。
「いや、やはりSKIなのだよ。SKIの端末がワクイを吸収した。しかし、ワクイの電脳は先端科学のものだと言う事になっている。つまり、大部分が必然的に書き換えられても当然であろうと思うが、それでもSIが勝ったと見える。この基軸の組成は、では何かと言う事になって行く。推論を今はしたくないものの、一つ言えるのは、ただ、それでも基軸は、私のSKIとは根本的組成が違うと言う事だがね」
「つまり、遥かにこちらのCPUの方が勝っていると言う事を言われているのですね?」
「はっはっは。サネアツ君。君は、そう機械的に分析するんじゃ無いよ。でもね、今もそうだが、情報が積み重なる速度については、確かにこちらが上なのかも知れないがね」
「ふふふ・・ですね、そうでしょうね」
優と、雄太はそんなサネアツと、SKのやりとりを苦笑いしながら聞いている。




