同盟関係
シン達は、やっとここで先祖が何をして来たのか、意図的のその時代の記録を抹消して来たワクイの考えが見えて来たのだった。何故なら、そんな記憶媒体が地球上に今も存在していたら、どんな悪事であろうと、行動であろうとも全て記憶の中にあり、暴かれてしまうと言う事になる。つまり、先時代の天才達の情報を削除したかったのだろう。それは、ワクイが最も恐れた事なのだと孔明脳は言う。そして、SKIは明確にその情報を元帥脳、孔明脳に伝えている。SKI消滅後の世界においても『龍の巣』の鉱物砂こそ、その記憶チップ・媒体だと判明したのである。そして、もっと驚く事が、この時告げられた。
「さて、ここへ私が来た事は、既に私には孔明と言う名の肉体は必要が無くなったと言う事です」
「え!ええええっ!」
驚くことばかりだ。それも、その連続の展開であった。
「皆さんは、驚かれている・それは当然かと存じます。私の存在とは即ち孔明脳と名付けられているだけであり、つまり元帥さんが端末の5名をお持ちのように、SKIの我々も端末なのですよ。巨大脳には機動性がどうしても必要です。その為には分身的な機能を持つ為に、元帥さんも言われていた時代では無く、200年前に再生されたと言う事なのです。今更ながら申し上げますが、貴方達を微塵も騙したり、詭弁を使ったものでは無いのですが、そう言うプログラミングがされていたと言う事なのです。そこにケンシン脳が復活する時点において、貴方達がずっと謎を抱えて来た現実があります。もっと言いましょうか?シンさん、ランさん、アマンさん、ワカナさんは、トップ11の再生遺伝子なのです。そこに、この孔明脳&元帥脳&ケンシン脳の合体した、超天才である、沢木 純と言う者が、再生復活するが為の過程であったと言う事になります。貴方達は今の言葉に驚くのは当然ながら、それも徐々に自分達がそのトップ11の誰にあたるのかは、今まで取り込んで来た、ミネラル水、鉱物砂によって、その受動細胞からの情報を取り入れつつある現在、全てが飲み込めるでしょう。薄々現時点でも貴方達の脳内には情報が戻って来ているでしょうしね」
「・・もう言葉が出ない。全ては前世からの、こう言う過程上に自分達は翻弄されて来たのだと?しかし・・言われているように、何かが今、自分の頭の中で語りかけているような気がする・・そうか、自分の先読みとは、そう言う事を分析出来る能力であったのかも知れない。つまり、俺って・・三木 優なのかな」
もう元帥、孔明脳も何も言わなかった。そして、この時点で二人の電脳は共鳴をしながら、現二人の姿はあれど、元帥、孔明の存在も消えてしまった気がした。余りにも突然の事ではあったが、シン兵団には全員にあらかじめ、天の声が聞こえていたのである。




