第1章2節 自分達と同族か?
シンタが、さっと身構えた。どうやら、ターゲットが近くに居るようだ。
「居る・・あらかじめ、『感車』で確認していたリンドウの言う奴は、すぐ近くに居る・・」
「おいおい・・すげえ見つけるのが早いなあ・・で・・どうする?このまま潜るのか?水の中に」
リンドウが言うが、シンタは
「俺達はな、結構水の中は得意なんだぜ。だって、地底湖や、穴の中には川も流れていたしな」
「また細かい事を聞くなと言われそうだが、素朴な疑問として、そのお前達が住んでいたと言う穴の中ってさ、灯りはあったのか?この湖は、確かに水中は明るいんだけどよ」
「ん?穴の中は、基本的には真っ暗さ。だけど、アカネもそうだけど、俺達は育った時からずっと穴の中だった。だから地上に居る時と、それに対してのお前は、視覚的な事を言っているんだよな?でも、殆ど変わらねえんだよ、それは。そこだけは言っておくよ」
「え!そうなのか・・やっぱりお前達はすげえよ、何か持っている気はしたんだよ」
リンドウが少し驚いた顔。
「でもさ、リンドウも確かに空に浮かべる装具は持っているが、夜になった時には、俺達のような『感車』も無かっただろ?どうしていたんだ?飛びながら眠っていたのかよ」
そこは、逆に素朴な疑問をシンタが返した。だが、リンドウは思いもしない返答をしたのである。
「いや・・俺は眼を開けていても眠れるんだ・・体が反応しちまうと言うのかな。眠っている時は、そりゃあ意識は無いぜ?勿論だけどさ。けど、体が勝手に反応しているようなんだ。気がついたら、怪物が倒れていて、俺がそいつを食っちまっていた事は何度かある」
シンタとアカネは、互いに顔を見合わせた。こいつも普通では無いじゃんかと・・。




