第1章2節 自分達と同族か?
「ま、それも有りかな・・でも、まず、こっちが先だわな、いずれにしても」
シンタは深く考えないようだ。とにかく眼の前の敵を闘る。この場合、闘うのでは無く、殺るの意味しかないのだ。こいつらは、彼我の力量が歴然としていたら、その本能によって襲っては来ないようだが、死ぬまで攻撃は止めないのだ。それは闘争本能と言うより、もっとシンプルだ。食する為に襲うのである。
そして、湖上に到着。B地区はA地区の推定だが、倍位広いのでは無いかと思われた。彼等の乗る『感車』は、その大きさを現わしていた。
「すげえな、この乗りものもワクイが造ったのかよ」
リンドウが言うと、シンタは、
「そうらしいな、パパッチ方のじいちゃんの時代・・つまり、リンドウも同じ年代に生きていたらしいが、その時にも同じような乗り物はあったらしい。だけど、こんな機能等は到底無かったと、こっちのじいちゃんは言っていた」
「ん?つまり、シンタは父方のじいさんを覚えているし、まだ生きていたと言うんだな?何歳で亡くなったんだ?」
「興味があるのか?俺達は、今から湖の『ガラーク』と闘う寸前なのによ」
「いや・・そうでは無いが、もし俺がその時代に生きていたのなら、推定500歳にはなるんだろうなと思ってよ。勿論、地球は何度も大きな災いにあったと言う事だから、そんな乗り物も無くなっていて当然だがな」
「ねえ、リンド、あんたってひょっとして、細々(こまごま)と気にする奴なん?」
アカネが眉を顰めた。
「あ・・いや、はは」
リンドウは頭を掻いた。自分がワクイによって再生されたと言う事に違和感もあるし、眼の前の二人の祖父と同じ時代に生きていたと言う部分で、少し自分がどう向かい合って行けば良いのかが分からないのだが、アカネは全くそんな事を気にする素振りは無かった。また、シンタもそのようだ。リンドウは、この二人とは自然体で行動しようとこの時思ったのだった。




