戦術を駆使する強敵
「だね・・だが、ここからだ。記憶する、伝達すると言う機能について、人間は録音機であるとか、写真撮影もそうだし、色んな手段を考案し、記録を後世に遺す事が出来た地球上唯一の生体だと誰もが思っている。書画もそうだね、古代遺跡にしてもそうなるが」
「ええ・・それはそうでしょうね・・」
言いかけた所に、アマンとワカナが入室して来た。アマンは、その話を既に元帥から伝わっていたようで、
「いいえ、シン。記憶媒体と言うのは、例えば、植物の細胞、金属元素的、微生物においても出来ると言う論文もあるのよ」
「ほう・・ところで?元帥。そこからどんな話になるんですか?」
「ケンシン君ともう言おうか、彼は、もう一度肉体を手に入れ復活し君達と活動したがっている。つまり、先ほどの話であるが、私も非常に彼とのコンタクトに少し抵抗感があったのは、ワクイによって書き換えられている部分や、本来の彼が持っていた全てが、ケンシン脳に収められていたのかと言うものであった」
「でしょうねえ・・所詮は、電子脳と言っても、完璧にその者全てをインプットなんて出来ないでしょうし、ワクイもあちこちに分散していた訳ですよね。その分散した記憶媒体を繋げていたのが、ワクイ脳だと教えて貰っていましたからね、元帥に。知るまでには、全く自分達ではそこまで到達出来ない情報でしたから」
それには、ここに居る全員が頷いた。
「つまりね、ケンシン君の感車が何故生まれたのかの事に繋がっていくのだよ。彼が、その文明破壊された君達の時代において、前世だが、いかに感車なる物を開発出来たかなんだよ」
「まあ・・彼が天才的発明家とだけしか・・しかし、これはここにいるアマンもそうだけど、複数部署で開発されたものとされている。だろう?アマン」
「ええ、その通りよ。シモンと呼ぶわ。貴女の死は、ずっと伏せられて来た。何故死んだかも知らされる事は無かった。しかし、貴女は感車の開発に関わっていたでしょう?今なら語れるでしょう?聞かせて」
「え!ワカナが感車の開発に?」
シンゾウが驚いた。
そこに元帥が、言葉を発する。




