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者々共出会え!  作者: 白木克之
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戦術を駆使する強敵

 確かに、エフゾーンには数千人・・いやもっと居るだろうと思われる人類が存在していると分かって来た。ただ、彼らも不老不死であるかどうかの検証は出来ていない。何故なら、このエフゾーン近くには海獣、怪物は居ないからだ。表土は気候が変わり、土に覆われているものの、その地下100メートル下は分厚い氷だ。特にエフゾーンは、塔を囲むように周囲は1000メートル級の山岳が連なり、すり鉢状のその底までに怪物が到達出来るような状況では無かった。今も滝のように、ごおごおと音を立て、塔を囲んだ湖に膨大な水が流れ込んでいる。更に塔の下には200メートルの厚さで石炭層もある事も分かって来たのだ。その周囲は急速に氷が解け始めてはいるものの、幾ら気候が変わって温暖化になった地とは言え、この氷の層は数年、数十年掛かっても容易には溶けはしないだろう。天然の冷蔵庫のようでありながら、実はその塔周辺は安定した気温であるらしい。らしい・・と言うのはそこまで検証出来る程、シン兵団に機材も無いからだ。ただ、彼らには備わった特殊能力がある。それで判断している結果だ・・。

 塔の下部・・まだその地下にエフゾーンの基地があると見え、時折、顕になったこの塔に武装した兵士が、レーザー銃であろうかそれを構えてパトロールしているのであった。シン達が、この軍隊と戦える筈も無いだろう。圧倒的物量とその強力な武器に対し、自分達が幾ら不老不死の体であろうとも、彼我の違いがある戦いは、選択できる筈も無い事だった。


「先の石炭火災は、意図されて行われたと見て良いでしょうか?」


 シンゾウが聞くと、元帥も頷きながら、


「意図があるねえ・・恐らく石炭火力による電力と、あの膨大な水量を見ると、水力発電も行っているのだろう。基地と言うからにはそれを維持する為には、食糧、エネルギーが必要なのだから。それに、彼らは既に地球上に周回する人工衛星が無い事を知っている筈だ。どのように情報収集しているのかは分からないものの、やはりここにもAIが存在する事は明らかだ。微弱な電波は確認出来るものの、解析までには至らない。あちらの方が時代的にも最先端のものだろうからね」

「ワクイがここにも情報を与えたと考えれば?」

「有り得る話だ。彼が消滅する際に、この存在は示唆していた。だが、ワクイには例えそうであっても、自分が創出した怪物群がそうやすやすとやられる筈も無いし、逆に攻撃でも仕掛けたら、無限増殖する種もある訳だ。その愚策にはすぐ気が付くだろうね」


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