驚愕のプロジェクト
「ワクイの武器は、当時の最新のものだからね、ただ、ドイツ製のレーザー砲までは使用した痕跡は無い。レーザー銃で、この猿人個体を撃ったのだろう。遺伝子を採取する為にだ。つまりね、メバチックの遺伝子がこの猿人だと言う事だよ」
「そうか、なら納得が行く。しかし、メバチックは確かに知能が高くなっているけど、この猿人は人間生体並みか、それ以上と先に言いましたよね」
「言った。一方は不老不死の体を選択している。だが、この猿人は寿命があると言う事だよ。脳の進化とは即ち、不老不死になれば止まるんだよ。だって、必要無いだろう??生きていくのに知恵が主体にならないんだからね」
「成程・・それは良く分かりました」
シンは大きく頷くのであった。
「さて、ここでだ。確かに我々の人間生体とは容姿的には違うものの、彼らは言語を持ち、このようなハチの巣を連想するような六角円柱状の住居を持つ。精錬を行い、銃器をも造れるようだ」
ランが聞く。
「元帥、それはどの程度のレベルですか?20世紀程度?それ以前のものでしょうか?」
「ラン君の知識で言えば、マグナムバイオハザードRE3程度の破壊力を持つ銃だと言えば?」
「ええっ!それって、凄いじゃないですか!」
「ああ、凄いよ。大砲程度も恐らく具備しているのだろう。ただし、ワクイのレーザー銃には恐怖心を持っているようだ。彼らは不死身では無いからだ」
「余程、懲りているんだ。じゃあ、陸上に出ても今のメバチックにはどうでしょうね」
「そのままなら猿人は負けるだろう。ただしね、孔明脳と言うのは過去世で誇張されていたとは言え、あの『出師の表』の文面を見ても明らかだろう。知略と忠節、政治力に長けた傑物だよ。発明家としても名高い。その孔明脳を過去の言動や、生き様、色んな角度からずっと研究していたのが、この集団なのだよ。何故私がここまで語れるのか、私もその集団の存在を知って居たからに他ならないのだ」
「やはり、そうですね、元帥は相当に人格形成において、その孔明の影響を受けた方だと思っておりました。ただし、三国志を少し過剰に読み過ぎて、神格化されている部分もあるのでは?」
アマンの言葉に、元帥は口を一杯に開けて大笑いした。




