驚愕のプロジェクト
「あ・・いえ、ララがそれを行い、自分の脳内で処理し、こちらに送ったものです。確かに今言った能力は、後天的に授かりましたが、スマ、ララのように生まれついて備わっていたものでは無いんです」
「まあ・・」
アマンが少し驚き眼を丸くしていた。シンはにこりとしている。
その画像がやはり鮮明にスクリーン上に出て来ると、又ランが声を上げた。
「おおっつ!こんなに大規模なのかよっ!」
「今元帥が話をされていた物が、これらの施設なのですね?」
「そうだ、このゴビ砂漠は相次ぐ地球大事変下においても殆ど被害を受けていない。そして、大事変後の地球上の変動により、地上面での実験が出来なくなった。なので、地下を主体の生活基盤を選択したのだよ」
「じゃあ、当時から、我々の存在については認識をしていたと言うんですね?」
「ああ、少なくても脅威に感じていただろう。君達は既に高速の乗り物を開発し、飛機なるものすら持ち、惑星にまで到達していた。その惑星における武具も回収して来たのだろう?ラン君」
「あ・・はは。でも、大半がその後の地球大事変によって失われましたけどね」
「それは、彼らは今もそうは思っていないだろう。そして、ワクイが生み出した怪物達の跋扈にも、脅威を持っているだろうね。迂闊に攻撃すれば、無限に増える怪物達には成す術が無い。そして単体では怪物に適う筈も無い。だろう?」
「すると、彼らには強力な武器などは無いと言う事でしょうか?」
「それは言い切れない。しかし、軍部の大半は南極に移動しているのだからね、研究班主体の彼らでは、その持つ殺傷力のある武具の違いはあるだろうし、やはり繰り返すが、迂闊に怪物を攻撃でもしたら、こちら我々の存在を知られる事になる」
そこでシンゾウが首を傾げた。
「それは、我々に対する警戒ですか?その当時と今とでは活動範囲も違うし、広大な地球です。感車等は彼らが観測出来る筈も無いし、飛機を警戒・・?」
「いや、ワクイだよ。彼らを警戒させたのは」
「ワクイが・・何かやっている?ここで」
「かなり探っていたと思われる。それはデータにもあるし、ワクイにはレーザー銃、レーダー砲もあるからね」
「じゃあ、攻撃したんだ・・」
ランが悟った。




