第1章2節 自分達と同族か?
そう言うと、リンドウは無防備な形で、やっと安心も出来たのだろう、シン達と出会って・・寝息を立てるのだった。
そのリンドウの記憶が既に『感車』にはデータ化されていたようで、その間にシンタ、アカネは興味津々であったのでそこへ向かっていた。
「良く寝ているね、リンドは」
「ああ・・俺達と重ね合わせたら、良くこいつの気持ちも分かるよ、独りぼっちで心細かっただろうしな。それに、こいつも並みじゃねえよ。底知れない実力を持っていると思う。俺達もさ、強敵のコモリゴンを食ったから、B級中位以下の怪物は、もう襲って来ないだろう。なら、俺達は、向かって来る怪物達だけを相手にすれば良いんだ。分かりやすくなったよな、今までと違ってさ」
「うん・・そうだよね。シンプルな考えだよお兄い、それはね」
アカネも同じように思っていたらしい、これは感覚なのだ。その感覚と言うのは、シンタもアカネも同様に強いが、彼女の方が更に強いようである。
こうして何故リンドウがいきなりB地区に居たかは、殆どレベルアップツアーのような目的上に存在しているのでは無く、それぞれにワクイが放した怪獣の棲息数、状況を変化させているのでは無いかとシンタは思った。それも感覚で思ったのである。その理由はあった。B地区の怪物達も、それぞれC級からB級上位まで居て、既にB級中位以下の怪物達は襲って来なかった。つまり、A地区もB地区もレベルと言うのはそう変わりが無いと言う事になる。更に、リンドウの言うように、かなりの湖が存在し、その中に地下の穴では存在しなかった怪物が居ると言う。その怪物にまず対して見たいとシンタは思ったのだ。
リンドウは、一緒に行く事には同意したが、敢えて不利な水中での闘いを選択するシンタに首を傾げているのであった。
「おい、シンタ。少し眠って起きたら、湖に向かっていると言う事だから、しょうがねえから付き合わねばならないとは思うぜ?でも、俺は納得はしてないんだけどさ、何でいきなり牙々(きばきば)の奴と闘うんだ?」
「勘だ・・何かそいつが鍵を握っているような気がする。俺達はな。地下の穴の中にずっと住んでいて、無数にある穴を新に掘ったり、また二人で探索したりして遊んで来た。その中に地底湖もあるし、川も流れている。地上の湖にこうして『感車』で移動を俺達はしているが、水の中にもしその通路のようなものがあったら、確かに上空を制するコモリゴンはやったが、常に崖の上は強風が吹いている。つまり、今後他の地区へ行こうとすれば、空からしか移動手段が無い訳じゃん?」




