驚愕のプロジェクト
「さて・・ここからが本題だ。大本営としての会議に移行したい。今回の重要なミッションは、2つ。熱源と膨大なエネルギーの放出は止まるまい。何故なら、数千億トンに及ぶ石炭層の埋蔵量からして、簡単に鎮火するように思えない。放出され続けている膨大な水も濁流となり、海に流出している。この地は既に現赤道付近にもあたるので、巨大な湖が誕生する事だろう。それの確認はまず出来たと思う。それに対する手立ては、無い。今の我々には成す術もないからだ」
「このまま放置と言うか見守るしかないと言う事ですね」
「ああ・・そして、この円筒形の建造物だ。今中国の基地と言う事が明らかになりつつあると同時に、これは、1000年基準の起動スイッチだとしたら、どうなるだろうか?うん、推測だよ、これは」
元帥の言葉に、ランが反応する。
「地球大事変を予測し、地球上で一番安全であろう、南極の地に、それも分厚い氷の下に基地を創生すると言うのは、相当練り上げたものだろう。つまり、この未来における、自分達の意志が作動出来る手段を作っていた事になるのでは?つまり、ここにワクイの残した、地球絶滅後のシナリオがある。それが、この現象であると思う」
スマが、
「でも、うちの見た所では、生体反応と言うか・・それは感じ無かったけど・・?」
ランが言う。
「1000年後の世界に、人類がそもそも生存していると言う発想もおかしいよな。では、冷凍保存されていると言う事では?」
アマンが否定した。
「まさか・・確かに私達の先時代には、冷凍する方法があった。でも、せいぜい60年程度の事よ。それもそう言う装置があった」
「だが、装置が無いと誰が言える?」
ランがアマンに反論した。




