驚愕のプロジェクト
「でも、アカネママが・・」
「ふふ・・そのママは君の事をとっくに知っている。けど、言わなかっただけだよ。この私に、この兵団の誰が隠し事など出来ようか?悪い意味では無いよ、それは」
「はい・・分かりました。ラン兵団戦略部隊長さん、うちには、透視能力があるんです。だから、この塔、そのD5ミサイルの内部構造も全て元帥に送ってあります」
「何だ・・そうだったのかよ、なら、元帥・人が悪すぎません?何か、俺達が手の平でどう言う反応をするのか試されている見たいじゃないっすか」
ランの言葉をシンが咎める。
「何を言っている。俺も送っているぜ?だって、俺が撮ったのは、その正体の画像じゃなくて、その透視カメラ主体だもん」
「え・・えええっ!」
元帥・シン以外の者が眼を丸くした。
「まあまあ・・詳しく説明もしていない私にも非はあるが、ここは、別に内緒にした訳では無い。その全容の写真を撮ると言うのは、実体写真も重要ではあるが、既にそんな画像は入手しているんだよ。シン司令官へもミッションは、その内部構造まで分かるX線のような画像だよ。そこにスマ君の特殊能力+シン君の画像をデジタル的と言うんだよな、君達の時代には。そこで鮮明な画像に修正して今見て貰って居る訳だ。この画像がスマ君も自覚しているが、これ程鮮明では無かったよな?」
「はい・・とても、そこまで再現出来る能力があったなんて、今自分がその言葉に思い上がっていたと感じた所です」
「あはは・・それで良い!」
何と、元帥はスマが自分の能力を過信しないようにとの配慮までこの緊張下において込めていたのだと知ったのである。シンは大きく頷いていた。確かにスマは超能力を秘めている。しかし、自分に並ぶ者無しと慢心した時点で、そこはワクイと同じ独善的な支配感、優越感に陥るのである。こうして、組織には瓦解が生じるのだ。ただし!元帥は自分が絶対的存在にならぬとずっとその意志を貫いている所に、シンを持って、この兵団、一族となった今は盤石な礎を築こうとしているのだ。組織とはそう言うものだと常にそこには戒めと教訓がある。でも、決してそれは価値感の押し付けでは無い。だから、いかに支柱と言う存在が必要なのか、悩み抜いて生きて来たシン達だからこそ、この元帥の存在が今の生きていると言う希望なのだ、人類にとっての・・。




