驚愕のプロジェクト
「どうした?アマン、ラン・・元帥、何か?」
「あ・・スマ君も戻ったのだな。これは、君達が送ってくれた画像を今処理する中で、アマン君、ラン君の思っていた見解を聞いていた所なのだよ」
「つまり・・南極のあの塔の存在についてですね?エネルギーの熱源は石炭であろうと思っておりますが」
元帥は頷きながら、
「さて、アマン君、ラン君の考えとこちらの分析結果、又ワクイ脳の情報を下に私も色んな形のシミュレーションをしていた所なのだよ。アマン君、決して君を試すものでは無かった。この場は合議制、シン兵団は今までもこれからもそれを主体にする。私が立場上の元帥と言う事で、私も所詮は出来損ないの電脳に過ぎないのだよ。何故なら人類が創った物など、完璧なものは無いからだ」
「何度聞いても、元帥は本当に奥ゆかしい方だ。常に我々の存念を優先してくれているんですね」
改めて、ここに居る4名は、深々と元帥に頭を下げていた。
ここでスマが、恐らく彼女は母アカネの能力を飛び越えているのだろう。このケンゾウ・アカネ系統には次々と、例えばそのスマの子であるスバル、更にその子である今回シンゾウと一緒に行ったララにしても、特異な出生の仕方である。つまり単性で誕生している奇異なものだ。アマンはそれについての言及はしていない。元帥は既に金属分子的な肉体に変化しつつあるのだろうと言う事だ。その事はワカナが直接聞き、答えを得たものだ。つまり、このままこの系統が子孫を紡いで行く先には、そう言う地球人類が地上に席捲すると言う事だ。更にこのまま不老不死が継続するのならば、現在を30ペアとすれば、1年後には現60人が90人に、更に2年後には120人、新たなペアが誕生していれば、150人位にはなるだろう。10年後には1000人は遥かに超えるだろうとも言った。但しだ・・幾ら不老不死とは言え、未知のウイルスが南極の分厚い氷に閉じ込められていたなら、この体が健常なままで保持できるか?の疑問もある。そう言う事も含めて、確かにここにはその基地、シェルターがあった。周囲は恐らく100度を超える熱水によって、そう言うウイルスは滅したか、半減したかも知れないものの、それは断言など出来ないと言う危惧もあった。アマンが呼ばれているのも、その話をしたかったからに違いないのだ。しかし、まずは現状報告と分析が先になる。当然であろう。
そこで、この5人は、丸いテーブルに座った。
元帥が、特にスマの画像を中心にスクリーン上に披露すると、




