第1章2節 自分達と同族か?
「ねえねえ、リンド。A地区を知らないのなら、行って見ると良いよ。経験値って大事だと、あたいもやっと分かって来た所なんだ。だって、もうリンドもコモリゴンを倒したんだから、A地区にも行ってきなよ」
「それは、そうした方が良いのかな・・でもさ、アカネっち、お前も経験値の事を言うのなら、俺と一緒にこのB地区の怪物達と一戦を交えとかなきゃ、どっちが先かなんて関係無い気もするんだがなあ・・それより何よりさあ、こうしてやっと話が出来る者に出会ったんだ。ここは一緒にこの地区の怪物と闘わないか?俺はまだ5戦しかやっていないし、5戦とも食われたんだよな」
「何!それ・・弱わっちいじゃん!きゃはは」
アカネは笑うのだった。しかし、リンドウも食われて再生する所はどうやら同じらしいし、ワクイに復活させられたらしい残り二人にも出会えば、記憶も戻るかも知れないと言う事だし、もしその二人に出会って、シンタ達を敵と認識したら、無益な闘いなっちまうんじゃ無いかと言う。それは、確かだなと、シンタも頷くのであった。リンドウは頭が悪い奴じゃないと思った。食われた事にも戦略があったようだし、その怪物達の腹の中で、相手の弱点を見つけて破った事には同じ戦法を取ったようだ。一つだけ自分達と違うのは、痛いとか感じた事は全く無いようだ。つまり、こいつには痛感神経と言うものが無さそうなのだ。
「ふうん・・痛みを感じないのか・・便利と言えばそれはそうだよなあ」
「で?痛いってどんな感覚なんだ?」
「その痛みを感じないリンドウにどんな説明をしろと?そりゃあ、無理、無理」
シンタは、苦笑いするしか無かった。アカネも、首を捻るしかない。
「それは、そうだよなあ・・」
「じゃあさ、リンド、あんたも息をしているじゃん」
「あ・・おう」
アカネが思いついたように言い出した。面食らうリンドウだったが、
「その息をずっと止めていたら、あんただって、苦しいと思うじゃん?」
「え・・そんな事はやった事が無いけど、そうだな・・湖があってそこで潜っていたら、めちゃくちゃ牙だらけのいかつい怪獣?怪物が襲って来て、必死に逃げたんだ。水の中ではこの装具も使えないしさ。そしたら、息が出来なくなって、その時がしんどかったのを思い出したよ。じゃあ・・そんな感覚か?」
「うん!きっとそれに近い感覚なんだよ。でもさ、どうやって逃げ切ったの?」
「ああ・・だから食われたんだよな、あはは」
「きゃはは!でもさ、お兄い、今新たな情報を聞いたね。湖ってどこにあんの?あたい達は結構穴の中で、水遊びをしていたから得意だよ、それは」
「じゃあ・・そこへ行くか?でもさ、少し休ませてくれよ、俺は眠たいからな」




