第1章2節 自分達と同族か?
「まあ・・その辺の事は置いといてさ。つまり、俺もその記憶がクリアになっちまって、新しい自分の体にその先祖が居る訳だ。だから、お前達と今は同年代だと思っても間違いで無いだろう?だって、お前の父ちゃんだって、不死身だと言うし、ワクイもその娘であるお前の母ちゃんもだろ?だから年なんて関係も無いしよ。俺もお前もそうだ。殆ど今言ったように、体は再生する。ただし、お前達のように俺を食っても、怪獣は死なねえよ。そこは違う部分だ」
「へえっ・・まあ、ある程度は分かったけどさあ・・とにかくとして、リンドウはこれから俺達と行動するか?その方が互いに都合も良いだろうし、コモリゴンがここまでの最強怪物だったから、又進む以上これ以上の怪物にも出会うだろう。俺達はママリンを探して、とにかくこのB地区もクリアしないと先に進めそうに無いと思うからさ。で?お前は何を目指しているんだ?」
「俺は、その同時に再生させられたと言う残り二人の行方さ。少なくてもお前達にとっても敵では無いからな、そこだけは確かだ」
「分かった・・じゃあ、手を組もう。お前とは何か気も合いそうだしな。それに闘い方も学べるしな、あ・・これはお前もそうだけどさ」
「おう・・一緒に行動しようぜ」
「よろしくね、リンドちゃん」
「リンドか・・あっはっは。良いぜ、アカネっち」
「まあ!きゃはははは」
こうして天真爛漫なアカネの笑顔で、リンドウは受け入れられた。何にしても僅かな情報が今判明して来た程度である。しかし、空の王者のコモリゴンを制した事は、大きな成果であった。ここを御しておかないと、これから先に『感車』で飛行する妨げにもなるだろう。リンドウは、この地に来て、聞く範囲では30回の夜が明けたと言う。それなら、シンタ達とほぼ同じにB地区にいきなり落とされた?放置された事になるだろう。何か、その辺には意図的なものを感じざるを得なくなっているが、彼等はとにかく感覚で生きるタイプのようだ。余り難しい事は後にしようぜと、最初から使っていたと言う、空を飛ぶ武具をシンタとアカネも持っていると言う事は、恐らくこれはワクイの発明品なのであろう。この飛翔出来る装具とは・・確かにぐんとこれで彼等の攻撃力と行動範囲も広がった訳である。こうした装具があっても、父シンゾウは何も説明をしなかったし、恐らくシンタ達の知る父にしても、母ワカナにしても、そんな装具の説明などワクイから情報も得ていなかったのだろう。また実際にワクイから逃げている二人には、そんな装具を使う事は無かっただろうし、シンタとアカネをずっと穴の中で育てて来た事情からしても、必要も無いものだった。だが、このリンドウは違う。ワクイを一番知るのはこの男だったのである。だが、それも記憶が飛び、断片的な情報ではあるが・・
リンドウが言うには、まだまだB地区には強い怪獣が居て、恐らくシンタ達が居たA地区よりも数も多く、居ない種も居るだろうと言う事だ。リンドウは出会った怪獣の名前等は全く知らなかった。




