隠していた秘密兵器
ワクイが何故空中に停止させられ、身動きも出来なかった理由がやっとここで判明したのだ。
シンが、
「ワクイ・・忌まわしい過去の狂人め・・お前のやった事は破壊でしかない。そして、お前は地球にとっての害悪でしか無かったんだよ。やっと、今の元帥との会話からも分かったよ。目的の為なら、どんな手段も選ばない。そんなお前が捨て去った感情からは、僅かに残った地球の人類の未来なんて訪れはしない。それは俺達が創出するよ、これからな。長かった・・この800年。地球は、怒っていたんだ。こんな愚かな人類など滅してしまおうと。しかし、その地球は微かな希望をこの元帥に託したんだ。それも今の会話を聞いても分かるだろう。もう、元帥・・問答等無用ですよね、こいつは・・消去しましょう」
「・・と、言う事だ。今私の中で、ワクイ君の全ては吸収した。そしてこの間も分析もしている。しかし・・どんな方向づけをしても、君の論理は破綻するのだよ。そして、残念ながら君の不老不死の遺伝子学は、過ちだった」
「間違いだと・・これだけ地球に様々な生体が、それこそ輪廻の境界を取り去り、不老不死、再生する世界が出来つつあるのにか」
「黙れ!もうそんな言葉など聞きたくもないっ!」
シンが吠えた。と、同時に元帥は、
「もはや、問答無用。君とは相容れないし、もう君自身の手足となっていた飛機に主要部分が壊れている事を、せめてその機能がどうにか保っている間にこれから起こる事を見るが良い」
地球の陸上に跋扈していた怪物や、今眼の前に居る海獣の大部分が空から落ちて来る流星のような光に包まれたと同時にそれは、一瞬で肉体が瓦解したのである。勿論全てを消去する事等不可能だ。しかし、部分的ではあれ、シン達がこう言う事が出来るのだと見せつけたのである。
「あ!な・・何なんだ」
ワクイの声が聞こえる。




