隠していた秘密兵器
「ほう・・ラン君は、なかなかの戦略家であるな、確かに君のイケイケ的な思考はさておきとして、ソビエトと言うのは多民族集合国家、中国もそうだ。様々な部族があり、多民族国家の集合における統一とは、絶対的な君主先制主義的な方向しか成し得ない。しかし、それはどこかで綻びが出る。そこの内乱を防ぐには常に戦争と言う、つまり労働力・・糧を与えると言う経済的支配が必要だと言うのだね、その為には自分的には愚策であるとは思うが、戦争と言う定義が必要となる。つまり、軍備と言う生産と雇用と経済的施策とは、一番手っ取り早いでは無いかと。過去の時代を見つめて来てもそう言う事になっているのは、つまり、そう言う戦略における善悪とは経済的支配に他ならないのだと」
元帥はランの考えを否定はしなかった。その考えを伝えた事で、ランも元帥に深く傾注して行く事になる。
「シン指令官に先に告ぐ。その体制のまま、左舷北西10度の方向に、海中ミサイル砲を向け待機せよ」
「は!」
シンの言葉は短く、臨戦態勢である事が分かる。
「ラン隊に告ぐ。12か所に設置した、海中ミサイルをセンサーオンにし、全ての標的に向けよ」
「おおっつ!」
ランは、こう言う時は実に頼りになるスナイパー軍師になる。丁度ターゲットは12と言う事だ。
「シンゾウ隊に告ぐ。5基のレーダーの情報を0.5秒単位でこちらにデータ送信せよ」
「はいっつ!」
もう、元帥は刻々と変化する戦況を分析している。




