者々共出会え!海編
「ふむ・・そうだね。その上で不老不死になったのならば、本来戦い等は不要な筈だ。しかし、何故戦いが止まないのかと言う事を君達は自問自答し、もしやそれが協調出来るかも知れないと言う希望をち続けて来た。そうだね?」
「シンも私も、人類とは個では生きられない集団生活をする種です。故にそこから排除の論理や、君臨すると言う欲望のみを追求したら、やはり滅びる運命になると思ったのです」
「良く考えは理解している。その通りだと、私は思う。思うが故に私はこの時代に生を得ているのかも知れない」
初めて知った情報でもあった。しかし、シン達は何故この者がこの時代に恐らく地球が求めていた最後の善性だと位置づけたのだった。
彼らは、自分達が生を受けた意味をこの時知る事になるのである。シンの時代には誰もそんな事等教えてくれなかった。唯一己の欲望の為に、不老不死実験を続けていたワクイと言う存在があっただけだ。しかし、彼はそう言う喜怒哀楽と言うものを過小評価し、極力人間が故に持つ、競争心、闘争力、自己顕示欲、感情と言う者を排除しようとした。余計なそんなものがあるからこそ、人類は愚かな戦争の為だけに歴史を刻んで来たのでは無いかと言う論調であった。ある意味客観的に見れば正しい事のように聞こえた。しかし、元帥はその大事な感覚こそが、人としての最も大事な事なんだと教えてくれているのであった。
そして、とうとうワクイの海中での活動拠点が発見された。そこは地球の地軸が90度回転して、北極・南極が元帥の知る1000年前とは違っているのだが、地球の臍とはこの事を言うのだろうか、まさしくここ『龍の巣』こそが、その基点のように思えた。つまり、この地軸回転の中でも中心に位置していると言う事だった。
様々な検証は、今や不動の中心とする元帥のデータに蓄積されて行く。
そして、深海鮫と新デマルク=デマルゴンの戦いが勃発していた。深海鮫バルーは強かった。地上の恐らくBランク以上の怪物達が持つ硬い鱗と牙にも似たこれも超合金の歯で形成され、且つやはり再生生物であった。これは、ワクイが創出した生体であるとの証明にもなる。その深海鮫を飲み込んだか・・新デマルクを元帥はデマルゴンと名付けている。更に進化?変化しつつ、まるで海の王争いの様相を呈して来たのだった。シン達は手を出さない。それより、定期的に地下湖に現れては、またワクイの飛機が行方を見失うといった状況が続き、どうにか『龍の巣』の防衛は出来ては居るのだが、厳しい危機に立たされていた。デマルゴンは地上で行ったと同様に、周辺の岩であろうが生体であろうが、全てを食いつくしながら、どんどんとでかくなっているのだった。そのデマルゴンの鱗をばりばりと深海鮫バルーは食って行くのだが、鱗は再生されなかった。鱗は、所々深海鮫バルーに食われて抜け落ちては居るが、その体にダメージを与える程では無いのだった。




