者々共出会え!海編
悉く、この世界でもワクイは連敗続きであると思っている。否・・本当はシンもワクイに敵わないと思っている部分もあるのだが・・あの時代に、確かにアマンの遺伝子研究部門があったにせよ、更に300年も前からそれを研究し、誰よりも延命処置をしながらも独自の方法を入手しながらコピー体を作り、大脳の機能をそのまま衰えさせる事無く移植する・・そんな芸当をやってのけていたのだ。天才と言われたコウタも遠く敵わない研究者が存在していた事である。しかし、それより更に前の時代に、こんな計画があった事・・それは未来に向けて果たして無関係であったのか、どうか・・
そんな質問を今度はシンゾウが元帥にぶつけていた。
「元帥、質問しても良いですか?」
「何なりと・・私は過去と現代を今急速につなげようとしているが、実に不可解な事も多い。空白の500年の事だ。その上で、シンゾウ君の疑問に答えられるのであれば・・」
「はい、その500年と言う部分は自分も知りません。ですが、母もとても元帥の言葉に感銘を受けていると言う事ですが、実はワクイと言う現在俺達と敵対している存在は、ドイツの同様にあった基地を知っておりました。つまり、研究部門を生前と言うか、もう800年前から知り得ていた事と、この日蒙同盟の開発部門・基地と歴史上に同時期になります。その同研究がワクイにもあると思えるのですが、どうでしょうか」
「成程・・日蒙の秘密基地、研究所の存在は、地下通信路が発達しつつある頃とほぼ同じ。だが、その当時のワクイの年代では、殆ど地下通信路は寸断状態で、その乗り物自体も稼働しなかったのでは無いだろうか?いや、これはデータ上での返事だが」
「そうですね、自分もそう聞いておりました。でも、ドイツはその昔、ヒットラーと言う独裁者によって、欧州では圧倒的な武力によって、各地を制圧しておりました。次第にそれは周辺国、米英等によって敗れて、その時代は終わり、日本も敗戦国になったんですが、それから後の人口減や、人の生殖不能な、世界中がそう言う状況の中で、人再生、長寿の研究は行われていた筈です。元々高い技術力と医学もありますから、同様の研究があったのでは無いかと思ったのです」
「うん、それは有りだね。それは、君がその基地から移動させて来た、これはケンシンファイルと呼ぶのかな・・このデータに相当なその研究資料部分があった。つまり、その質問をある程度満たしていると思える」
「やはり・・」




