者々共出会え!海編
「アマン君の研究の事、今まで未解明なこの敢えて『龍の巣』の言葉を引用するが、とても優秀である事は明白だし、一昔前の天才と言う言葉は、そっくり君に当てはまるのだろう。ワクイと言う学者も確かにそうであろう。だが、君の弱点は、理論的に全てを片付けようとする。例えば感車の組成を君は見解を出したが、孫達の見解の方が実際に的を射ているのでは無いか?その昔、人間の死後の世界を幽界と言い、それを研究した民間の学者も居たが、公認の学者等一人足りとも居ない。即ち、全ては未解明の不可思議領域の範疇であると片づけられているのだ。仮にそのタキオンをプラクテノザウルスの鱗で閉じ込めたと言う説が、合理的であっても、証明にはならない。無の所から解明の為に論理を構築するのは、手法であろうが、大きな誤解と間違いもあるだろう。訂正して行く事は大事だが、先に結論を急がない事だね」
「はい・・ご教授有難う御座います」
このアマンでさえも、元帥の言葉に深く頭を下げるのだった。つまり、未来型AIとは、この元帥の人格を取り入れていたものなのだろう。ここへ来て、その存在感は、ワクイのAIすら恐らく凌ぐのではと思われて来ていた。この元帥型AIと言うのは、やはりその人格をベースに1000年の時を経て、徐々に鉱物的ベースに変化して来たもの。正確に言えば、現在の元帥の体も工兵と比してもその組成上よりもっと緻密で、より微細で、柔らかく、且つ伸縮性を持つ・・つまり、やっとここで明らかになる。プラクテノザウルスの鱗そのものなのだ。当然、脳もその組成で出来ている。もっと、繋がりを披露すれば、希薄であるものの『命の水』そのものに含まれる成分が、凝縮されたものだと思えば分かりやすい。こんな種明かしが次々と明らかになって来る事こそ、重大な今後を示唆するのだ。この世にも過去世にも、そう言う立証は無意味で、役に立たないものでは決して無いのだ、何事も法則・原理で成り立つと言う観点からは。アマンもようやく、その一点から色んな過去との研究が繋がって来る気がしたのであった。
ワクイは・・実は焦っていた。思うように深海の怪獣達がコントロール出来ないばかりか、新デマルク=デマルゴンまでをも襲ってくる深海鮫バルーも居る。一般に魚類は知能が低い為、陸上の怪物達より更にコントールしにくい。尤もそれを排除し、要らないと言う所から出発しているワクイ型再生生物は、その根本からして違うのだから、ここは歯がみをしても、もう遅かった。更に、シン達が500年前とは違う能力を持っている事にも、想定外であった。ワカナを観察しながら突発性遺伝子の事を実は分析していたワクイの意図も、まさかの脱出でそれも途中になった事と、その研究を同位体コウタに丸投げしていた事も誤算であった。




