大転換への兆し
「もしや、第二次世界大戦で死んだあの山本五十六元帥・・?」
「そうだ。私はプーゲンビル島の沖合で死んだ事になっているようだ」
「時代的にも、既に1000年は経っているから、それは仮にその時死んで無かったとしても、寿命が・・」
ランが更に疑問を投げかけると、
「実際の私は、ずっとこの状態でこの部屋で体が保存されていたようだ。その時の傷も治っているようである。つまり、君達が見たように、金属の球の中で生きていたらしいのだよ。ただし、何一つ体をコントロールも出来ないままにな」
ここもランが質問をした。
「もう一つ、じゃあ貴方が俺達の先祖だとして、聞きたいが・・元帥さんは当時より今見た目でも若返っているように見えるんすけどね」
「そうか、それは分からないが・・ああ・うん。君達の誰かが私に画像を送ってくれた。そうか・・私は若返っているのか、これは30歳前の自分だ」
シンが今度は問う。
「誰かが、山本元帥をここへ運び、生き返らせたと思うんですが、実は、この俺達が『龍の巣』と呼ぶ地下湖及び周辺には、不思議な水、鉱物、ミネラル等があって、俺達もそこで、実際に言えば、とっくに寿命なんぞ尽きている筈なんですが、蘇った次第なんすよね」
「ふむ・・辻褄の合わない情報が無数にあったが、そう言う事なら一端は理解した。とりあえず、シン殿と呼ぼうか、シン君で良いのか、階級も分からないので君と話をしたい」
「分かりました。先祖だと分かれば、自分も敬う術は知っておりますので、シンとお呼び下さい。他の皆は、引き続き地底湖付近に待機していてくれ。アマン、君もだ」
しかし、山本元帥は、アマンを見て、
「ほう。*美しいご婦人だ。君はシン君の奥方かな?では、一緒に話をしたい」
*シン世代には、人に対する美醜の感覚は無かった。




