大転換への兆し
「ふむ・・相当硬い甲羅?鱗だな、続けてやって見よう」
それは、幾重の仕掛けもあるようで、その機関砲だけでは無かったのである。新デマルクだとすると、進化した事になるのか、或いは変異した事になるのかは未知数である。また、戦う為の生体でも無かった筈だが、今回は正確にこの防御壁を突き破ろうとしているのだ。機関砲は、その防御壁の内部に仕掛けられているようで、360度包囲から、それでも断続的に撃たれている構図は変わらず、それが新デマルクを足止めしているようである。ただし、それを排除出来る程の効果は見せていない。ここでワカナは新デマルクの後ろに居る2頭?2匹の小さな海獣を発見し、
「何か後尾に居る、この小さな海獣を止めて見るわっ!」
ワカナは、念動力で強引に小さな海獣の向きを逆にすると、先頭の一頭である新デマルクは海中に消えて行った。それに続いて、他の新デマルクも沈んで行く。
「おおっつ!陸上のあの生体チェッカーを持つと言うジェネガ2頭と同じなのか、海に進出しても」
途端に金属球から質問が・・
「今の攻撃は君らがやったのか?」
シンが、
「ああ、そうだ。俺達にはこう言う能力もあるんだ。つまり、この大きな海獣の後ろには、チェッカー生体と言う小型の怪獣が居て、それが先頭の個体を誘導しているようだ。更にその生体を誘導している者が居る。これが、俺達の敵だ。先に誕生している君達の兵団もその対象と戦って来ている」
「そうか・・ならば、もはや君らを疑う余地は無い。さあ・・私も姿を見せよう」
そう言うと、シン達が退避していた後ろの岩盤が、すうっと開いた。




