第1章2節 自分達と同族か?
この二人を、誰かが誘導しているように感じ始めた・・確かに何者かが彼等を見つめているらしい。そして、そのB地区の環境が、A地区とはかなり変化している事に気づいたのは、二人がぐっすり眠って起きた時であった。
その二人の『感車』に、今まで襲っては来なかったコモリゴンが、目の前に数頭現れたのだった。
「うっ・・何時の間にか、『感車』がコモリゴンに囲まれているぞ・・」
「うん・・こいつらと闘った事は一度も無いよね、その空域にあたい達が昇る事も無かったから・・恐らくこいつもかなり強いんだよね、きっと」
「ああ・・だが、こいつとは、同じ土俵では闘えない気がする・・さて」
シンタが、対処の考えを巡り合わせていた時だった。そいつは、突如として現れたのだ。自分達と同じ背格好で、黒い短髪の人型体型をした者が、何て言うんだろうか、自分の背中に装着した羽のような物を駆使し、コモリゴンに向かっているのだ。それも高速飛行する空の王者数頭を相手にだった。
「おい、アカネ・・俺達にあんな物があったかな」
「知らないよ、あっても使い方も知らないし、だってコモリゴンと闘っているあいつも、怪物の仲間じゃないの?」
当然の判断だ。しかし、アカネは何か思い出したように・・ごそごそと箱の中を探し出した。すると、シンタに見せて・・
「お兄い、ひょっとしてこれ?何に使うのか分からないから『感車』の中に入れてあったけど、何か、良く似ているよね」
アカネが差し出したのは、まさしくその翼のようなものだった。ここでシンタは眼の前で繰り広げられる現状を良く観察していた、この似たような翼を使っている自分達と同型?に思えるこいつは、勢い良く登場し、コモリゴンに対しているが、恐らくBクラス中位クラスはあるだろう、その高速移動する相手に対し、やや飛翔速度は劣っているようだし、相手は6頭も居るのだ。こいつも危ない奴かも知れないが、シンタは、何か感じるものがあったのか、
「アカネ、それを寄越せ。どっちみち闘う相手だからな、コモリゴンとは」
「え・・闘うって言うの?お兄い・・」




