戦闘が変化した
「う・・ん」
シンタは兄だ。言う事を良く聞けとママリンからも言われている。逆らう気は毛頭無いものの、シンゾウは細かい説明を余りしない男だ。アカネは、シンゾウの考えを聞こうとしたのだろう。だが戦略とは、ほいほいと披露するものでは無いのである。例え肉親であっても、それぞれの将軍的立場であってもだ。そのタイムミングでは無い事をシンタは悟ったのである。シンゾウは言う。
「地上に出たり、地下に又戻ったり、何度もこう言う事がある。ただ、これだけは言っておく。父シンが言うように、遠い昔の戦争とは全く違うんだよ、この現世の争いとはな。その古い昔の事を、まるで知っているかのように俺は言っているが、その時代の戦争とは、戦果・対価を求めるものだった。今はどうだ?得たとして何がある?領土なんて無いんだ。それによってそのエリアを支配する?出来ないだろう?無限に怪物共は押し寄せて来るんだからな。それじゃあ、眼の上のたん瘤である、ランガー、キング、加わったレンダーを倒すのか?お前達は倒しても、倒されても同じ事の繰り返しだ。延々と小競り合いをするだけだろう?戦い方は確かに変化するが、決定打はあるのか?確かにシンタ達が確かめたよな?ワクイ軍団の兵士は違ったよな、確かに倒した後、怪物達が食ってしまった。再生はもう出来ないだろう。だが、こっちの兵士達は再生する。俺達と同じようにだ。違う事は明確にもなった。しかし、その事で勝利したのか?それは否だ・・消えれば、新たな兵士がワクイによって補充されるんだよ。そこで勝った、負けたと言う事は無いんだよ。簡単に言うとな」
「パパッチ・・それ、短く無い話・・長ったらしいよお」
アカネが眉を潜めた。そんな事等とっくに分かっているのだ。
「はは・・少々諄かったかな・・」
シンゾウは頭を掻いた。




