戦闘が変化した
リンドウが覚えていた。直接対峙したのは、金色のヘルメット風の物を被り、恐らくランガー、キングより上に立ったのだろう。指揮する男だった。画像が感車より映し出されると、シンは即、
「あ!こいつだ。ワクイのコピー体・・やはり再生したんだな?」
「じゃあ、ワクイって事では無いのかい?」
「ううむ・・だが、否定はしないが、俺にはワクイが前面に出る事は今後も恐らく無いと思うんだ。こうやって、どんどん自分が思うように操れる者を使役するんだよ」
「じゃあ、こっちも応戦しなきゃ・・」
アカネが言う。シンタが、
「だから、今じゃないって事だろ?こっちの軍師さんよ。お前はどうしたいんだ?アカネ」
「だから、あたい達に向かって来る者は、どんな奴でも阻止するぞって言う事を見せるのよ、お兄い」
アカネは好戦的だった。むしろ、そっちの熱い系だ。シンタは言う。
「確かにこっちに向かって来る怪物であれ、ワクイであれ、それは阻止すべく戦うさ。でも、こっちから仕掛ける事はねえんだ。今こっちが選択している戦法って言うのは、相手の軒を借りて戦うってやり方なんだよ、アカネ」
「それって・・消極的戦法じゃないの?」
「いや、それは違うと思う。自分達の戦法は、相手にも学習されるんだ。次には通用しなくなる。しかし、その戦法を相手に悟られないようにするのは、高度な戦法なんだよ、アカネ」
シンゾウが、にやにやと兄妹二人の問答を聞いている。
「高度な戦法ねえ・・でも、ここに居て何をするのかってパパッチに聞いているのよ、あたいは」
「まあ、だからそれも戦法だって事をお前も納得しろよ」
シンタが少し強めに言った。




