第1章 進む
「えいっつ!」
アカネのサーベルは、これも使い方等は何にも教えられては居なかった。シンじいちゃんも、子供が遊ぶおもちゃも無かったら寂しいだろうと渡してくれたものだし、この世界がこのような状況になったのも、200年前の事だったらしい。その頃には、もう少し地上にも出られていて、危ない生体は居たものの、ここまで多くはなかったようだし、いきなり襲って来るような危ない怪物も殆ど居なかったそうだ。なので、二人がおもちゃで遊べるようにこの2つの物を渡したようだ。シンゾウもその使い方は知らない。子供が祖父に与えられた物を取り上げたりするような親でも無かったし、興味も示さなかったようだ。むしろ、色んな場所を訪れてそれを記録するような、シンゾウは、シンじいちゃんが言う所の学者タイプの者のようだから・・と言う事も少しは分かって来たようだが、この展開にはまるで関係も無い説明である。
「あたい、ミミッチを焼き上げるモードでやって見るよ、えいいいっ!」
アカネは、自然と覚えた、まるでバトントワラーのような感じでくるくるとサーベルを回すと、何かがそこで成分的な、或いは構成物質的なものが反応するのだろうか、バチバチとサーベル上に小さな火花が散り始めた。その火花を何度か自分なりに工夫して、ウサマと言う耳の長い、中程度=体長3メートル程度の足の速い、白い怪物に出会った時に、これは咄嗟に出した技?だった。とにかく咄嗟だった上に、このウサマは、アカネより早く走り、攻撃力は大した事も無いのだが、尻尾がむちのようにしなり、アカネの体を何度も打った。アカネはその痛さに悲鳴を上げながら、サーベルをびゅんびゅん振る中で、火花が散り、そこで少し離れていたウサマの体にその火の粉が飛び、それで体の一部を焦がしたので、この時になりやっとこいつは退散して行ったようだ。初めてアカネが、これは使えるかも知れないと会得したものなのだそうだ。それは、シンタのソードにも、似たような機能があるそうだ。そう言えば・・祖父シンの時代には、穴掘り専門の道具として開発されたと聞くが・・その後どうそれを改造したのかは、誰も知らなかった。とっくの昔にそんな開発者らしいケンシンとか言う者が亡くなっているからだし、シンじいちゃんは、そう言う事には、あまりこだわらない人であったようだ。
そして、その火は今まで出現した事の無いような大きな物となり、バチバチバチ・・赤く染まったバクダンのその肌を業火で包んだのだ。
「おおっ!アカネ!これは効果があるぞっつ、悶えているよっ!」




