地下では・・
「何だよ、早く言えや、理由を」
リンドウがむすっとする。
「あのさ、俺が怪物の体の中に意図して飛び込むんだから、嚙み砕かれる事はねえんだよ」
「何だ、そんな事かよ。で・・?」
「怪物達は、噛み砕いた後、それぞれの分解酵素って物を持っている。つまり、その酵素によって食われた怪物は消化される。逆にさ、食われちまった怪物が食った方の怪物を消化するって事を知りたかった訳だ」
「へえっつ・・で?」
「俺が知り得る限りだが、今のランク10の怪物と言うのは、両方のタイプが居るんだよ」
「2種か・」
「ああ、今の所はな、それにランク付けって言うのも正しい訳じゃない。おおまかにそう区別しているだけだからな。またそれ以上の怪物も居る。いま例えば、A、B、C、S、特級と呼んでは居るが、今の所俺達はその怪物達との戦いを回避している。ワクイ軍団だって、ランク9クラスに圧倒されているんだからな。敢えて戦う必然性も無い訳だ。襲われたら応戦はするがな、俺達もそうだろ?」
「ああ、そうだな、だがよ、そのランク9クラスの怪物にワクイ軍団の将兵以外は、どうなっているんだ?食われた後の話だが・・」
ケンゾウがここで聞く。
「そこなんだよ、ケンゾウ。だから食われている所をお前は見ているだろ?リンドウはどうだ?」
「え・・と・・」
二人はその質問に腕組みをした。
「何だ・・観察してないのかよ、二人共」
図星であるようだ。シンタは「ち」と舌を鳴らした。




