原理論の違い
アカネが、
「ばあちゃん、そこに信号であれ何であれ、その見せてくれると言う対象に、あたいは何をすれば良いの?例えば、意志を持つかどうかの確認なの?先の兵士達は屈強でとても強い。しかし、与えた指令にしか動かない。こちらは、どうかと言う事を確かめるのね?」
「そう、確かめたいのは彼らには記憶媒体がきっとある筈。無ければ、先の兵士と同じ事になる。兵士には自己の意志など必要も無いでしょう?不老不死、再生可能ならば、そんな言葉や自意識等何の必要も無いからよ。そして、その動力であるエネルギー源は、無尽蔵に近い位あるのだから。いえ・・そのリサイクル形成は、生物的なものでほぼ完成していたのよ。しかし、私達の時代にそのシステムに干渉してしまったし、一部が破壊されもした。そして、地球大事変が波状的に何度もその後起こった。それは、つまりそうなる事まで想定しては居なかった。まだその段階では完璧なものでは無かったのよ。分かるでしょう?言っている事は」
シンゾウが頷いた。
「ああ・・つまり、それはその先にある鉱物由来、物質由来にその体が置き換わる人型ロボット的生体に移行する為の手段でもあった・・と言う事なら、繋がる。今度はそれを指揮し、自分達の意識を残した記憶媒体と、生体では無い物質由来の不老不死生体と言う、基本的には同じだが、もう少しそれを追求した別の研究が同時に、進んでいたんじゃ無いかと・・」
アマンは頷いた。
「そうよ、理解してくれたわね。想定が壮大な地球時間になると思うの。ワクイはそれを自分の寿命が尽きる前に求めた。その事は人類が誕生して以来ずっと求めて来たものだもの。特に権力を持つ者の欲望は、そこまで行く。方法論は、幾つも出て来るわ。何かを発見する、生み出す。人間と言う知能を持つ種は、それを無限に試そうとする。そこに向上があると解釈すれば、戦争なんて決して起こらない訳だし、ワクイと私達が戦う理由も無くなる。けど、そうならないでしょう?その思考とは、自分の思いのままに尽きる事のない支配欲、征服欲になるのよ。つまりそれには永遠の命と若さを求める訳」




