原理論の違い
シンゾウも絶句した。天才学者と称されていて、ワクイさえも恐れたアマンにそこまで言わせるものとは・・
ここからは、アマンが言う。
「これは、未知数の事なの。その当時の、日・蒙同盟の科学力は、恐らく私達が遺産として用いて来た当時の科学力には天と地程も違い、遠く及ばないでしょう。しかし、このシステムこそは、自然リサイクル・・ミネラルを中心として摂り入れる、生体=即ち元素組成の第二、第三・いえ、本来地球そのものが生み出した物質由来の人間なのよ。彼らは、そのシステムを我々が生きた時代より更に100年も前に完成させていた。しかし、そのシステム形成には膨大な時間を要したのよ」
シンゾウが、
「父さん、母さんが生まれたシステムとは違うものと言うのかい?」
「ええ・・そうよ。我々には生体由来のタンパク質を中心としての組成がある。しかし、その組成は必然的に亜鉛、銅他、マンガン等ミネラルを体に摂り入れる仕組みになっている。つまり、今言う物質由来の人間とは、それをもっともっと体の組成に摂り入れた物・・シンゾウには何となく分かるわよね。それこそ、鉱物砂、ミネラル水であり、ゼニゴケであったりするのよ」
「そのシステムを発見し、その対象となるのは、より物質的に組成された人類と言う事かい?つまり、機械的人間にも近い・・?」
「極論すればそうなる。だから、我々の第一世代と貴方達の第二世代が違うように、ワクイ型生体と、この長い時間を要して誕生する生体とは根本的に違うと言う事を知って欲しいのよ」
「母さん・・今の話を聞いても、つまり組成が違っていても再生はするし、不老不死と言う部分も変わらないと言うんだよね?」
「多分・・そこはそうなるでしょう。つまりね、こんな我々が凡そ誕生する事すら想定にも無かった時代に、全く別のやり方で地球大事変を予測もしていないでしょうけど、核戦争後は起きると考えられた。その後の世界に、人類は果たして生き残っているかと言う事を想定し、その研究は進んでいたの。そして、むしろ、核戦争を画策したかも知れない時代の者達が誕生すると言う危惧なのよ」




