第1章 進む
二人は、感覚的な言葉をこの時発したのだった。それは、祖父シンの血を引く故か・・シンゾウにはそう言う感覚が余り無かったらしいが・・
そして、二人掛かりでどうにもならなかった怪物のバクダンは、草原のような場所に居た。他の怪物達は、そいつに怯えているのだろうか・・周囲には居なかった。
「やっぱり・・単独で居て、他の怪物達が居ないと言うのは、このA地区の最強クラスの奴だったようだ。でもさ、アカネ、今ならバランディードであっても闘える気がしないか。だから、こいつと闘って、もし勝ったなら、他の奴と敢えて闘う必要は無いだろ?」
「そうよね、あたいもそんな気がして来たよ、お兄い」
こんな思考が出て来たのも、何かこの1週間果実を食べたからだ。大食いと思われたアカネも2回目以降は食べる量は減っていた。体の中で、その程度で止めておけと言う声が聞こえるそうなのだ。シンタもそうであって、もう1週間は何も口にしなくても十分な量を腹の中に収めたようだ。
彼等の身に、何かが起こり始めているらしい。
そして、バクダンと言うこの怪物は、ばらばらにしても超再生するやっかいな奴で、肌色は黄緑色と紺色を混ぜ合わせたような、蛇のような、トカゲのような、そんな形容の姿も、ぐにゅぐにゅとタコのように動かして変化させる、とんでも無い敵だった。シンタは一回、アカネはまだ戦った事は無いが、飲み込まれている。そして、飲み込まれたら、相手の弱点が見えるのに、こいつだけは、その体をぐにゅぐにゅと動かし続けるので、シンタが腹を食い破って出て来た後も、まるで平気なようで、超再生し、又襲って来ようとした所を、アカネが猛ダッシュして、シンタの手を引っ張り一緒に『感車』に乗せて逃げたのであった。
「アカネ・・こいつの体は超柔らかい。ぐにゅぐにゅと動く、お前そのサーベルを、今までは俺と同じように振りぬいて使っていただろう?少し使い方を考えて見ろ」
「うん・・でもさ、めっちゃこっちを睨んでるし・・どう見てもこいつは、凶悪レベルだよね」
アカネは少しびびっていた。そこはしょうが無い。年少だし、女の子だし、闘いの経験値もシンタの半分以下だ。アカネは、ミミッチには無敵レベルまで達し、クリアしているが、ピラリックのクラスになると、まだまだクリア出来るレベルでは無い。
そう二人が言っている間に、こいつはその軟体を変化させて、触手をぐいーーーっつと、伸ばして来た、まずシンタの方にだ。
「くっつ!」




