原理論の違い
シンは少し考えながら続けた。
「それを利用し、その源水を使い怪物達の再生を遅らせているんだが、『命の水』と『生命の水』・・同じく聞こえるが、微妙に何かが違うような気もする。そして、未来予告されている難解な暗号によると、間もなくシンゾウが注入した栄養体によって、地下湖からその存在の復活する日が近くなっている。その中には彼ら自身の研究者、歴史上重要な人物達が居ると言う話だが、実際この者達と俺達は組めるのだろうか?敵対するのだろうか?と言う疑問に対しては、俺は、ワクイと同様に、凝り固まった戦争オンリーの方向性しか持たない者達ではないかと言う懐疑的な思いがあるんだ」
アマンも頷いた。
「その通りだわ。言い換えれば、第二のワクイが出現する可能性も高いと私は思っているの。だけど、もう止められない。その前にシンゾウが知らせて来たわ、ワクイの居場所を」
「とうとう居場所を突き止めたか・・だが、ワクイは未だに謎だよ」
「ええ・・でも、レンジと対した貴方には、何となく本性も見えているのでは?」
「アマン、無茶を言うなよ、何べんも言うが俺は第六感で動く実践主義の者なんだぜ?」
アマンは笑う。
「うふふ・・それこそ突発性遺伝子を持つ、つまりワクイも、私でさえも読めない能力の事だわ。確かに貴方が発する突拍子も無い提案を私なりに分析し、組み立てて作戦にも協力して来たわ。今現在の潜伏もそうなのよね。シンゾウは、いきなり地上戦に今は討って出て、子供達を指示しながらも、ワクイにはその陽動作戦によって注意をひきつけておいて、彼の居場所を確認した。ワカナは、子供達に側援しながら既に念動力にも磨きがかかっている。それを貴方は先読みをしていたの?」
「いやあ・・そんな事を考えているものか・・この体がもう少し動けるなら孫達と一緒に戦っている所さ」
シンが言うとアマンは厳しい顔になった。




