第1章 進む
「なあ、アカネ。俺達は岩石の塊のような黒い怪物に出会ってさ、こいつには全く歯が立たずに逃げただろ?」
「あ・・うん。それが?」
「あれ・・何か硬い皮膚でどうにもならなかったんだけど、場所は覚えていると言うか、俺達が今まで通って来た道と言うのかな、それが全部『感車』には記憶されているようなんだよ。だから、名前も出て来た。こいつは、俺達が穴から出て32日目に出会った、バクダンと言う奴らしい」
「賢いね・・パパッチよりこっちの『感車』の方が色々教えてくれているよね」
「はは・・パパッチに再会したら、その辺の事も文句を言ってやろうぜ」
「うん、そうだよね。で・・?お兄い、どうするの?」
「闘って見ようと思うんだ。少なくても俺達は、ここで自分達にとって必要な何かを手に入れなきゃ、次のB地区に進めない気がするんだよ。だって、この視界下部に見える白い雲は、何度飛び上がろうとしても、強い風にやられて突破が出来なかっただろ?」
シンタは、何か自分の心の中から聞こえる気がしたのだ。アカネにはまだその感覚は無かったが・・
「お兄い、じゃあ、あたいもリベンジマッチをやる。その前に、森林の2種の怪物の名前も分かる?」
「おう・・最初の毛むくじゃらはな、やっぱりCランクの上位でビローと言う奴らしい、地上のゴツゴツイボイボ怪物は、トゲガラと言うやっぱりCランクの上位のようだ。俺達がここまでで出会った最強の奴が、バランディードと言う奴で、B級の下位らしいが、そいつにすら歯が立たず、俺達は食われる寸前で逃げて来た。だけどさ・・俺の中で騒ぐんだよ、何かが・・負けたままで良いのかよって・・そして、もう一つ・・俺達は、何かを食する事で体にアイテムが増えて行く気がするんだ。そこはアカネ、お前の感覚の中ではどうだい?」
「うーーーん、分かんなーい。でもさ、やられたらやりかえせって言葉は、何時も頭の中から聞こえて来る気がするよ」
「それだ・・どうだ?そのバクダンは、B級中位の奴らしいや。だからその中でもバランディードよりも上みたいだから、こいつが出会った中では一番強いんだ。これをクリアしたら、恐らくこのA地区にはそれ以上の奴は居ない気がする。理由はないぜ?だから、その質問はするな、アカネ」
「うん、分かった・・あたいも一緒に闘うよ、お兄い。そして、闘うと言うより食ってやろうぜっ!」
「おうっ!食って、食って食いまくってやるぞっ!あははは」




