原理論の違い
「何故だ・・何故バタバタと兵士が倒れて行くのだ・・」
ワクイが呻いた。この時彼の想像を遥かに超えている事象が今発生していたのだった。そしてあれ程目障りだったシン軍団は、まるっきり地上から姿を消していた。ワクイ軍団は、怪物達と激しい戦闘を繰り広げていたが、メバチックや、コモリゴンの襲撃も、ぱたっと消えた。そして、その怪物群は、シン軍団が退治した事になっているのだ。
「メバチック、コモリゴン・・我々にはランク9に匹敵するやっかいな怪物共だが、出現しなくなった。シン君はいい仕事をしてくれたなと喜んでいた矢先、この現象は、ひょっとして、怪物達はシン軍団をも倒しているのか?」
ワクイには、もう一つ奇妙な事が解明出来ずに居た。コモリゴンは、リンドウが先頭の一際大きな個体に乗っていた筈なのだ。そして、シン軍団がコモリゴンの使役側であった。何故にいきなり消えたのかと言う事だ。ただ、怪物達にも攻撃しているし、勿論キングやランガー達にも攻撃を繰り返している。ワクイの武具の銃弾のように、彼らが攻撃した怪物達は瞬時に再生している点を合わせれば、シン軍団にはこちら以上の武器が無いと言う事だ。それは確信に近いものだった。
「ワクイがどうも疑心暗鬼に陥っている様子よ。今そんな声が聞こえたわ」
ワカナが言うと、シンゾウから伝言が入った。
「特定した。ワカナ、ワクイの居場所が分かったぞ」
それだけ言うと、シンゾウからの伝言は途切れた。感車が光速で動く事をワクイは知らないのだ。知っていても、光速で動く感車をワクイが捉える事が出来ないのだろう。今までも、気づかれた事も無い。地下の入り口もそうだった。そこにはワクイの電磁的探索機能を拒絶・反射する何かがあると言う事だ。シン達が開発した訳ではない。今『龍の巣』内にいる連合国内部の構造がそうなっているのである。




