第三幕 その1 反撃する!
ワクイは、現状をそのように見ているのだった。その傍受と言うか声はワカナにも届いている。つまり、これも全てワクイの策略の一つなのだ。互いに手の内を見せる必要は無い。しかし、シンの予想以上に早く、既に爆薬物までも武具に使用し始めたようだ。その情報はすぐシンにも届けられている。
「そうか、相当ワクイの方も早いなあ、動きが。しかし、何かそうしなければならない状況があったのかなとも思える、それに、相手は俺達軍団だけでは無いと言う話も・・シンゾウ、すぐ感車で調べてくれ」
「うん・・」
シンゾウは、すぐ感車で飛んで行った。
「シン、感車も飛機と同じ消耗品。いずれ壊れるわ」
アマンが言うと、シンは
「当時のケンシンさんが居れば、又どうにかしてくれそうだが、これはもう復活も望めまい」
「それにワクイも、当時は目立つ事も無かったケンシンさんの存在は、知らなかった筈よ」
「ああ、もう無いだろうと思っていた地球大事変が幾度も波状的にその後も起こり、地球上に何とか生存していた、多くの同胞を失った。今ではランすらもそう思うが、もはや全く別のⅡ型人間。ランガーは、その姿は同じでも完全なる敵なんだよな」
「・・もう一名居たのでは?トップ5遺伝子の存在は」
「それは君だよ、アマン」
シンがアマンを振り返り言うと、
「いいえ、突発遺伝子とは運動能力の特異な者を指すのよ。私では無い。私が300歳まで生きられたのは、この地下に居たからよ。その時までリンとケンが傍に居た」
「そうだったな。他には居ないと思うが・・」




