第三幕 その1 反撃する!
シンは頷きながら言葉を付け足した。
「ああ、今はそれで良い。つまり彼らはここまで計画を進めていた事になると言う話だ。もう一つは、そのコマンダー計画だったんだよ。世界転覆計画の研究者が、恐らく時差になるだろうが、ここで復活するのでは無いかと思っている」
「じゃあ・・中には軍師、参謀的な者も居ると言う事なん?」
アカネの飲み込みは早い。しかし、シンは言う。
「ああ、でもな、この時代を彼らは想定等しても居なかっただろうし、その当時の思想・目的からしてもそんな軍略であるとか、戦争と言う形態が通用する事等無いだろう。そんな知力等いかほどのものだろうか・・俺は思うんだよ。ここにアカネが生まれている。そして黙って聞いているワカナもそうだが、君達は思念を操作出来るだろう・・軍略の出発点からして全く違うんだよ。俺の言う事は、大きくは違ってないよな?」
「は・・い」
ワカナとアカネは、確かにそう言う能力を隠していた。シンが見抜いている事に多少の驚きはあったものの、それに近い第六感と言うものをシンは持っているのだ。
「今は無垢の者達だ。まして敵ではない。我々の軍団の兵力が足りないと今皆も思っているが、ワクイの第Ⅱ人型生体には必ず弱点がある。アマンがそれを今調べている所だ。この『龍の巣』には、複数の研究設備が残っているんだよ。公開していないがな。それも、お前達に言っていなかったものの、敢えて言う必要があるか?」
「ううん・・それは、どう言ったら良いんだろう・・」
シンタ達が困惑すると、シンゾウが、
「それだけ大事なものだと言う事だ。ワクイと言う存在とは、そのまま研究室を持つ者だからな。そこに向かい、我々は素手では戦えないんだよ。もはや」
「道具・・かあ」




