第三幕 広陵の大地にて
ワクイが唸る。彼にとって予期せぬ事は無数に起きている。処理出来ぬ情報がここに来て増えているのだ。ワカナは、ここでもあるヒントを掴んでいた。
そのアカネの現在の敵は、やはり敵軍団のリーダーであるキンバルと言う、赤い髪をした女性隊長であった。このキンバルにはアカネの脳破壊アタックは通用していないようだ。だが、それは破壊できる周波数の違いだとアカネは考えていた。キンバルは流石に隊長である。耳栓をしている。アカネの眼に見えない戦法が、ワクイから伝達されたのだろう、恐らく。
その様子を見たワカナは、アカネに伝言を送った。同じ周波数の音源を発すると言うものであった。
「ママリン!分かったわ!行くよっつ!」
きいーーーーーーーーーーーーーん。その音は強烈な振動波として、周囲には拡散しないレーザー光線と同じだ。キンバルに同時に発信されたのであった。
「きゃあああっつ!」
キンバルは耳を押さえ、そこにどおっと倒れた。ついに、アカネは敵兵士の大将の一角を破ったのである。と、同時にワカナは、ワクイが閉じ込めていた空間の一角から、突然アカネの前に姿を現したのである。
「マ、ママリン!」
「アカネっつ!すぐシンゾウの所に行くわよ!」
ワカナは、アカネを抱きかかえ、その言葉と同時にその場所から姿を消した。
前線にその時居たシンゾウだったが、アカネを抱いたワカナの姿を見ると、感車にすぐ乗せた。感車は、その瞬間地下のシン、アマンの場所に移動したのであった。
「な・・何が起こった。キンバルが倒された事と、ワカナの姿が消えた。そしてアカネの姿も」
ワクイは、この状況を全く飲み込め無かったのである。




