第三幕 広陵の大地にて
シンとアマンは、前面に出る事は無かった。シンゾウがリーダーで良いと思って居るし、実際の所再生はされたものの、二人には大きく運動能力が不足していたのである。運動能力とはそんなに簡単に身につくものでは無い。一気に大人の体で再生したと言う事は、そこまでの成長プロセスを経ていないのだ。体を動かす事を体現しないと、ワクイもそう言う意味ではコピー体を幾ら乗り換えようとも運動機能は無いと思われる。彼自身が元々学者である以上、戦う必然性が勿論無いとは言うものの、運動機能等は備わっていないのだろう。また逆説的に言えばだが、その必要性も無いのだろう。アマンがこんな事を言う。
「その昔AIと言う人口知能があった。ワクイと言う学者は、主にそれを自分の脳に置き換えて巨大な装置を開発していた。当然火星に向かった痕跡がある以上、そこで自分の脳内を、数年、或いは十数年かけて入れ替えた。そこで元々感情等希薄な人物だとは思うけれど、目的=手段の選択は一つなのよね。ただ、AIと言うのは常に学習して行くから、こちらの手の内は見せられない。どうやってそのAI知能を突き崩して行くかに尽きるわ」
「俺には、全く専門外さ・・しかし、シンゾウは旧時代のランを実際知らないから戦えるが、あいつが完全なる敵となっている以上、シンタもかなり苦戦している。特に飛び道具で何度もシンタはやられているしなあ」
シンが憂い顔。
「ランガーはランであって、もはやランでは無いし、リンドウもケンゾウも違うのよ、貴方。そう言う感情は確かに人が持つものだけど、シンタは学習している。ランガーにも同じように反撃しているわ。ソードで何度も切り裂いている」
「しかし、膠着状態はずっと続いている」
「何かが起こりそうな気がするわ・・あ、貴方のこれは第六感と言うものよね。私としたら科学者の言葉では無かったわ。ふふふ」
その何かとは、アカネが数十の再生体の兵士を倒したのだ。同時に複数の者を倒せる程彼女の能力が、ぐんぐんと上がっていた。その再生体兵士は起き上がって来ない。どんな生物であっても脳を破壊されてしまっては、そこから再生は無理なのだ。大きなヒントをここに得たが、
「むう・・これは、人型生命体が持つ能力なのか?」




