第二部 復活への道
「結構良い匂いがしていたけどさ」
ケンゾウが言う。苦笑いしながらシンタが、
「あれ・・美味いのかも知れないけど、希少種って言う生物らしいぞ。一端食として設定しちまったら、継続的に食さねばならない。つまり、絶対数が少ないって事だ。その点、一度摂取すると、地蛇、地鰻などは、数百年間摂取しないでも良いらしいや。それだけ栄養価が高いって事になるんだろうな」
「ふうん・・でも、希少種って言う部類じゃねえの?その2種も」
「ああ・・沢山は居ないらしいが、卵がありゃ、孵化するのさ。つまり、ケンゾウお前がまだ未理解な事だが、それが球状サークルの存在なのさ」
「あ・・ようやく俺にも理解出来て来たぜ・・つまり、地球上に居た旧古来の生物の卵なのか・・あれは」
「どうもそうらしいや、パパッチもシンじいちゃんからは十分に聞いて無かったそうだし、入口までは分かっても、全アイテムが揃わない限り、扉が開いても、すぐ閉じられるらしいんだ」
「へえっつ!じゃあ、戻れなくなるじゃんかよう」
「ああ・・永久にな、だから全コンプリートの必要があった訳だよ」
「成程・・」
ケンゾウは、それ以上はもう言わなかった。
そして、シンゾウとアカネが一緒に探訪していた通路から戻って来た。
「お兄い!」
「おう、何か成果があったか?」
「ううん、ただ、この地下湖への水の流入は、至る所にあると言うのは良く分かったよ」
「カマドウマには出会わなかったか?」
「居なかった。ゼニゴケのある場所しか居ないようよ」
シンゾウも、
「こちらの変化はどうだ?」
「うん、何かちょっと湖面の色が変わったよう思う以外は特に」
「湖面の色が変わった?」
シンゾウが覗き込む。




