第二部 復活への道
シンゾウが腕組みをする。何か重要な事をリンドウが言おうとしているのを感じたからだ。
「で・・この砂が、周囲のやはり色んな溶けている成分を集約して結晶化したのがそうだと思えば、この砂を食えば、本来は全部必須成分を摂った事になる筈なのに、俺達は水もたらふく飲んだ。つまり、砂はそのままでは体に吸収されにくいからではないかと」
「ふふ・・そこまで聞けば、お前が言わんとする言葉を早く聞きたくなったぞ、リンドウ」
シンゾウは、我が意を得たりと言う顔をした。
「つまりは、確かにこの『命の水』は生命を育むが、サークルにあった『命の素とは、もう少し違う成分の水っすよね?違いますか?でも、これだけでは『命の素』はスイッチが入らない?。周囲の虹色の帯の中には無数、大小の卵のようなものがあるのに、この『命の素』に足りない成分があったので、発動出来なかった。植物で言う発芽も同じ原理だと思うんすよ。そのきっかけが、当時からあった主要食物元素では無いかと。そして、今発動したと思うんすよ」
「はは・・リンドウ、お前は大した奴だ。俺も今そう思ったよ」
なかなかの頭脳である。元々リンと言う者は、シンと一緒に行動をしていたが、その優れた運動能力、聴力、視力が突出している上に、この分析力の方は他にも優れた科学者が居たため、目立たなかった。そして、余りぺらぺらと喋るタイプでは無かったから、本当の彼の能力が周囲には分かっていなかっただけなのだ。
シンタも、改めて何故リンドウが自分達と短い間に仲間になれたのかを、少し不思議に思っていた。ケンゾウの時も、リンドウと言う存在があったからこそ、こちら側についたのでは無いかと思った。幾ら源主の再生体とは言え、野生化したカイと言う犬とケンが同体となるなど不可思議な事が満載だが、実はそんな事を考えたって、現世がシンゾウの言う不可思議世界なのである。そこをリンドウは完全にスルーしていて、現実に見える事象のみで今の論理を展開したのである。まさにこれがシン達突発優勢遺伝子の能力では無いかと思う。なれば、ワクイが試験体と言うが、このような再生体を野に放った事は愚策では無いかと、実は聞きながらシンゾウはそう思っていたし、シンタも何故か同時にそんな事を思っているのであった。




