第二部 復活への道
リンドウに、アカネが、
「リンド、思った事はさっさと言わなきゃ。あんたは、行動は素早いけど、肝心な事は結構黙っているっぽいよ」
「はい・はい」
「ふふ・・」
シンタは、少し控えめなリンドウに苦笑する。
そのリンドウはシンタに顔を向け、頭をかくのであった。この地鰻も100年、200年サイクルでこの地底湖に姿を現すようだから、元々地球に棲む深海魚達と同じく、貴重な生き残りの生物であろうし、深海魚達がどの位生息しているのか等は、今となっては知る由も無い。
それから一昼夜立った。彼らは水路から流れて来る水が一定である事を確認しながら、地下湖を注視していた。今までの地底湖は変わらずだが、この時水路の方を見つめていたシンタが声を上げたのであった。
「パパッチ!この水路に球状の物が時折流れて来る。これって、あの虹色の帯の中にあったものじゃないのかい?」
「何・・どれどれ・・」
シンゾウが見ると、途端に、
「おお・・これがひょっとして卵子か・・それじゃあ、父シンの言う起動状態に入った事になる」
「パパッチ・・つまり先のサークルの中は『命の素』だったと言う訳?パパッチの事を聞いたけど、卵で生まれて相当な時間を経て、誕生したんだよね?」
「ああ・・『命の水』内ではそうなるんだ。つまり、父シンも母アマンも、相当の時間を要する。俺は若い細胞体、しかし、二人は老年期の細胞体だからな」
「つまり・・こんな勝手な推測をして叱られるかも知れないけど・・」
リンドウが躊躇う。シンタは即、
「だから、誰も怒らないから言えよ、リンドウ。でも、怒るのはアカネだけどな!わはは」
「そうだよ、今言ったばっかじゃん」
アカネが怒っている。




