第二部 復活への道
シンゾウが、幾つかの恐らく組み合わせの暗号のような奇矯音を発した後、ごご・・とその一角の岩が動き、新たな洞窟が現れた。その洞窟はシンゾウがやっと通れる位の細いものであったが、子供達は何のストレスも無く入れるのであった。その洞窟は、人為的に作ったのだと思うものであった。これは、シンゾウが創ったものでは無い。そんなに一人で簡単に出来るような代物ではないものである・・
「ふうん・・凄く正確にこの通路?が開いているね、パパッチ」
「これは、旧時代の更に旧時代に造られたものだそうだ。ただし、父シンの時代に俺にも良く分からないんだが、技術屋と呼ばれるメンバーが幾人か居て、修復、強化したらしいんだ。それが、こうして今も残っているのさ」
「へえ・・とても正確なように思えるよ」
ケンゾウが感心を示した。通路と言うならそれが適当な形容だろうと、シンゾウは言い、後から付いて行くと、そこは相当の距離があった。時間にすると、2時間近くあった筈だ。ただし、正確に距離等は分からないが。仮に8キロ程度と思えば大きくは違わないだろう。その通路は暗いものの、どこからか光が射すのか、視界は10メートル先まであった。そして、その明かりが大きくなった場所に到達した。
「うわあっ!何これっ!」
シンタが真っ先に声を上げる。
そこは球状のように見える空間で、感車が最大限大きくなったような形状だった。そして、中央には湖があり、周囲は虹色のきらきらした光の帯がゆっくりと回っている。確かにそれは動いているのである。その帯の中に無数のシャボン玉のような泡が見える。その泡は色とりどりのもので、大きさも一定はしていない。大小のものだ。小さいもので、数ミリ、大きなもので30センチ程あった。その帯は液体のようで、回転しているらしいと彼らは感じた時には、シンゾウが中央の球状空間の真ん中に4人を手招きしたのだった。
「こっちにおいで」
声は優しかった。手招きのままに4人は進んだ。ここは何となくであるが、とても居心地が良いと思える場所だった。




