第1章6節 そして動き始める
「ふふ、アカネっちは、まだ色んなものを腹に収めたい年頃なんだよな」
アカネは、首を振り
「違うよ、お兄い。食べる為には戦い倒すけどさ、パパッチ、主に食べる事だけ優先しても駄目なんだよね?」
「何だ・・やっぱり食べたいんじゃないのか?アカネは」
「ち ・・違うもん」
ぶんぶんと首を振るアカネだが、どうやら食欲の方が勝っているのは見え見えだった。
「じゃあ、迂回路を行くか・・この山は何か危険な気がする。登った事が無い、情報が無いと言うのも、そこは危険だが、まだ知っている怪物が居る場所の方が安心出来るだろうからな」
シンゾウが迂回路をここで選択したのだった。アカネの食欲を満たす為では勿論無かった。
「良いか、この相手にはめくらましの術は利かない、鼻にセンサーがついているんだよ。臭覚と空気の揺れを感じる器官だ。正確に俺達を認識し、襲って来る」
「ええっつ!それを知りながらも進むんすか?巨大な地蛇の居場所に」
「ああ、確かに危険を回避するのは優先事項だ。しかし、不安要素の高い場所より、情報がある場所へ向かうのも選択肢だ。良いか、ケンゾウ、お前が先頭に立ち、ぶんぶんと鞭を振り回せ。その音で地蛇を地上におびき出すんだ」
「え!わざわざ攻撃させるんすかあ?」
ケンゾウは驚いた。
「はは、リンドウ、お前は吹き矢の上達も早かった。その地蛇が出て来たら、両眼の下にある、二つの鼻を同時に狙え。正確にその穴に命中させるんだぞ?」
「うん・・」
「シンタ、お前はそのソードで地蛇の舌を狙え、その舌を切れば、地蛇は俺達を感知出来なくなる。アカネ、お前は最大限のサーベルで地蛇にバーナーを発射しろ、一度では駄目だぞ、この地蛇は再生しない。しかし、体内に死期を悟れば無数の卵を抱えている。それが一斉に孵化してしまうんだ。数千の子蛇が現れてしまう。そうなると、その辺の地中の怪物共が一気に地上に出て来る。それだけは避けねばならない」




