第1章6節 そして動き始める
「シンゾウは、貴方にデマルクからの解析データが渡ったらしいと言っているわ。そうなの?まるで自分自身が否定している人間が創出した道具のような怪物なのね?」
「おやおや・・黙っていた君が、いきなり反論をして来たね。では、生体とは何だね?機械、ロボットとの定義は何だろう。生体、或いは動植物・・人が創ったから人為的、機械だと言うのなら、人は誰が創ったのだ?道具まで創出する人とは、その星の大地が生んだ存在であるだろう、つまりその星が創出したのでは無いかね。そこで、その括りは成り立たないのでは無いのかね」
「極端な話にすぐ結び付けようとする・・貴方の言論は、常にそう言う所にあると理解するけれど、デマルクを創出したのが、貴方だと言う事実に揺らぎは無いわ。その事を持って、そう言う生体を操作していると考えるのが、当然の論点の帰結よ」
「ふふふ・・流石に我が娘だね。成るほど・・そう思うのなら思うが良い。否定も肯定もしない。恐らく君は、何らかの情報を私から聞き出そうとしている。逆に、これも言っておこう、シンゾウ君にも分析能力があるのでは無いのかとね。つまりデマルクの情報を、彼は得たと見るのだよ。脅威だね・・これは」
「もう、良いわ。互いに言葉のジャブ見たいな応酬のようだから。私は何も知らないわ。これも事実よ」
ワクイから今度は言葉が無かった。
ここでも目に見えないバトルが繰り広げられているようだ。正体さえ不明のワクイは、姿を見た者がこの時点で居ないのだ。確実に証明できるのはその存在と声だけだ。
シンゾウは、先頭に立つケンゾウに言う。
「ケンゾウ、集中しろ。俺達の正体は恐らく見えないとは思うが、ここは土地モグラが居るんだ。今までレベル分けをしていなかったが、A~Cゾーンの怪物を10段階で分けると、せいぜい3だが、ここは5クラスの怪物達が数多く居る。殆どは土中に潜むやっかいな奴らなんだ」
「む・・俺の鞭の先で何か反応するっす」
「どの辺だ?」
「真下っす」
「いかん!おい、全員飛び上がれっ!」




