第1章6節 そして動き始める
とにかく、シンは全くワクイを徹底して信用しなかった。またワカナが常にワクイに監視されている事も知りながらも、シンゾウと子を成したのは奇跡中の奇跡だと思っている。ワカナには、ワクイにコントロールされていない純真な心があった。それはアカネにも受け継がれている。だが、ワクイがどのような方法でワカナを得たのかなどシンが知る由も無い。シンは、超現実主義でずっと生きて来たからだ。彼は科学者では無い。ただ、500年前に誕生した突発的遺伝子の驚異的な第六感の持ち主であったとだけ言っておこう。そして、もう一方のこちらは天才科学者であるアマンも、シンゾウは、はっきり再生復活中なのだと言う。それ以上の事は聞けないが、複数の過去世の者が『命の水』内で卵の状態で育っていると言う事だ。シンゾウはそこで生まれた。430年もかけて。シンタとアカネは、僅かそこで卵から10年で生まれ育ったのである。
「おや・・?シンゾウ君が復活した事は分かったが、デマルクを内部爆発させるなど、とんでも無い事をやってくれたものだ・・侮れないなあ、やはりシン君の子は」
ワカナは返事をしない。これはカマカケである。
「またシン君同様に隠密行動かね・・。子供達の姿も消えた所を見ると、一緒に行動をしているのは確かだが、困った事にAゾーンには、バリアがあるのか、私にはここはもやがあって良く見えないのだよ・・ん?感車があると言う現状を見ると、やはりここに居るのだな」
その言葉を持ってワカナは逆に安心するのだった。シンゾウと子供達は次のステップに進んだんだな・・と。
「だが、アカネ君の表情はどうだろうか、ワカナと交信出来ているようだが、ふふ・・私にはそう言う情報は与えないと見える」
そこでもワカナは安心した。無言で通したのだった。ワカナは無表情だ。シンゾウと子供達以外に感情を見せる事は無かった。また、こんな事も言っている。
「デマルクはだが、シンゾウ君が破壊したとしても、既に再生中だ。複数のデマルクが今度は一気にこのゾーンを変えるだろうし、ゾーン破壊もあり得るだろう。そこは、私も驚きと共にシンゾウ君をやはり注視せざるを得ないが、功罪ありと思っているのだよ」
ここでワカナは反論した。




