第1章6節 そして動き始める
「ああ・・お前達はそれが正解だったのかも知れない。だって、お前の体には犬の嗅覚と聴力、そして本来ケンが持っていた強力が備わっているんだからな」
「え・・そうなんすか・」
ケンはもう殆ど少し大柄だが、シンタ達と変わらぬ顔、体になっていた。
「さあ・・ここからが本題だ。つまり、母アマンの研究がここに詰まっている。ここまではワクイは到達出来ないと言う主題で話をする。ワクイがどんな体を得ていようとも、未だに旧時代の科学を持っていようとも、ここでは電波は遮断される。この中では通信が出来ても、外部からは出来ないんだ。だからワカナと交信が出来なくなっているんだよ、アカネ」
「そうだったんだね、パパッチ」
シンゾウは、ゆっくりと語りかける。Cゾーン以降にエリアについても少し情報を開示しながら、彼も全てを知って居る訳でもない。また感車ではCゾーンからDゾーンには入れない事。まだ一部しか探索が出来ていない事も語った。
「・・と、言うように、俺などは、ほんの一部の現地球の事を知ったのみだ。ただ言えるのは、俺達が自分の体を使い、この地球上を回りきる事など不可能。それはどの怪物にも言える事だ。だからこそ、エリアと言う狭窄な場所で戦い抜く事しか許されないんだ。それは、ワクイが創出したものでは無いだろうし、そんな一人の者が、この地球にそんな大規模な改善等が出来る訳も無い。もし、出来れば宇宙に脱出等しなかっただろう。父シンが言うには、ワクイは恐らく火星に逃れていて、そこで地下にある菌類等を培養し、自分も不老不死の体をやっと手に入れたのだろう。それに、月にあったA国の遺体を取り込んだ可能性についても言及していた」
「月・・は、あのまん丸の星だよね?火星もそうなの?」
アカネが聞く。
「そうだ。今では旧時代と違って空気も澄んでいるそうだからな、小さな赤い星が見える。それが火星なんだ」
「ふうん・・」
それ以上にはアカネも興味を示さなかった。まあ、当然であろう。今の自分達に何の関係があろうか。シンタ達もそうだった。だが、重要な事を実はシンゾウは言っているのだが、彼自身についてはワクイの情報は、父シンから聞いていた程度のものなので、現地球における影響力までは分からないのである。説明のしようも無いと言える。




