第1章6節 そして動き始める
「とにかくだ。絶滅した人類と言う定義の中で、シンじいちゃんとリン、ケン、アマンばあちゃんは、生き残っていた。この地底湖にその時居たからだ。それを先に説明しないとな、そこからお前達も何かを知る事になるだろうし、今の状態では外になんて出られないぞ、良いか?」
そう言うと、頷くしかないシンタ達であった。
「さあ、飲め。恐らくお前達には今空腹感が無いと思うが、どうだ?」
「あ・・食いしん坊のあたいが、そう言えば・・」
「あ・・俺もだ」
全員がそれを自覚したのであった。
「ここはな、だからそう言う場所なんだよ。リンドウ、ケンゾウ。ワクイが再生したとは言え、お前たちは父シンに一番近い人間型同位体なんだ。だから、シンタ達と不思議に馴染めたのかも知れない。そのDNA・・記憶媒体の中にそう言うメモリーがあったんだろう」
「また・そこが良く分からねえっすけどね・・人型同位体、再生体って何なんすか?」
「まあ、それもじっくり話してやるさ、俺の知っている限りにおいてな・・俺の母アマンは、ワクイと同じ研究者だったが、父シンは第六感を持つ者だった。その辺からの違いもあるのさ」
「はあ・・・」
そんな断片的な情報を貰っても、理解出来るはずも無かった。とにかく、今この空間には敵が居ないと言う事だ。
シンゾウが彼らに飲ませた水は、すぐ効果があったようだ。シンゾウ以外の4人が眠りついたからだ。




