第1章6節 そして動き始める
「少し、ここで休憩をするか・・」
シンゾウが手を挙げた。この地下に入ってから、何も食べていないし、飲んでも居なかった。だが、不思議と喉も乾かないし、腹が減ると言う事は無かった。
アカネが、
「ねえ、パパッチ。ママリンとの通信が出来なくなったよ」
「うん、そうだろうな、ここでは一切のそう言う音域と言うか、父シンから教わった光域・・つまり振動波の一種と言うものらしいが、通用しないと言う。アカネも俺もそうなんだが、耳目の器官と言う部位の中で、その波長を捉える事が出来るらしい。音波でもない、振動波でもない。一種独特の光音源と言うものらしいんだ。それ以上は俺も詳しくは無いんだがな」
「ふうん・・じゃあ、外からも遮断されているから、俺達はワクイに発見されなかったと言う事かい?」
シンタが聞く。
「ああ・・ママリンからもある程度は聞いているだろうが、元々父シンがこの絶滅状態の中でも生き残れたのは、今から行く『龍の巣』と呼ばれる地底湖なんだよ。ここではお前達も知っているように、発光微生物が居て、明かりがある。そのミネラル分によって、俺は育ち、お前達も育った。ここに居れば、200年前にワクイがこの地球に振りまいた、特化生命体の種の影響は受けないからな」
「特化生命体・・?怪物達の事?」
「そうだ。凡そ原始地球から500年まで生息もしていなかった生命体だ。ただし、元地球内に存在したDNA、遺伝子の中から独自に手を加えたものだ。ワクイは元々その研究者であったらしいからな」
「じゃあ、やっぱりワクイって悪者じゃんか」
「ふふ・・ふふふふ」
シンタの言葉にシンゾウは笑った。そして、
「正邪、正悪の話なんて、どこで覚えた?今の世界にそれがあるとは思えないがなあ、ふふふ」
「でも、敵なんだろ?パパッチやママリンに危害を加える者、そして、俺達にとって牙を向く者は全て敵だ。その上で悪者だと思うぜ、俺は」
「うん、あたいも思う」
アカネも同調した。シンゾウは、




