第1章6節 そして動き始める
「だからな?父シンすら把握も出来ていなかった500年前の地球でさえも、そうなんだ。地球上に同じ人類が居るかどうか探し回ったと言う。しかし、どこにも存在しなかった。もはや、日本に居た5万人だけだったんだよ。しかし、その後の第4波において、その人類もほぼ絶滅した。幸か不幸かは知らないが、こんな言葉が出るのも俺には、旧時代の記憶が埋め込まれているからだ。リンドウ、ケンゾウも恐らく同じ方向性を持ったワクイが再生したのなら、そのDNAの記憶から、自然と言葉が出るのだろう。そこまでは人類の根源のDNAは変化していないと言う事だし、変えようの無い部分だと思う。そこまでしか俺には言えない。父シンは科学者では無かったんだ。しかし、類稀なる旧も更に旧時代の人類が持ち得た第六感と言うものを持っていた。だから、俺も含め、シンタ、アカネにはそれがあると思う。又、アカネ、ワカナにだけ特異だと言うんじゃないぞ?良いな?お前はまだ何も分からない年代だ。余計な知識は入れるな。ワカナから色々伝達されているとしても、今は俺の言う事を聞くんだ。良いな?」
「うん・・パパッチに従う。何かあたいが軽々しく言えば、ワクイに伝わってしまうと言う事なのね?パパッチ」
「そうだ・・そのアカネの言葉こそ、第六感がある証拠だ。だが、安心しろ。この会話がワクイに漏れる事は、今の所は無い。全ての秘密を握るのは神秘の湖なんだよ、これからお前達をそこに連れて行くつもりだ。良いか?そこでお前達は、新たに生まれ変われるだろう。今の姿は、本来のお前達では無いんだ。そして俺は嬉しく思っている。よくぞ、Cゾーンまででそれ以上進まないで留まってくれた事を。シンタ、お前の第六感があるこれも証左なんだよ」
「うん、パパッチ。言う通りにするよ。今の言葉だけでも、かなり俺には何も分からない状況より進めた気がするよ」
そのワカナであるが、やはり彼女も謎に満ちている。これから先は、不可思議領域に突入して行く。




