第1章6節 そして動き始める
そして、またそこから数か月が経ったと思われる。思われるとは、地軸の逆転、そして地球の自転は遅くなっている。また時間と言う観念が必要だろうか、昼、夜は長く、気温はシンタ達が感車を利用していたから余り気づかなかったが、昼は50度に迫る温度、夜はマイナス10度になるのである。それが、既に適応している無感覚に近い動植物が生き残っている訳なので、不自然とか不思議だと言う感覚も無い。シンゾウ達が地下生活を選択していた一つには、これが人型生命体におけるベストチョイスなのであった。全てはそこに繋がっているのであった。
シンゾウは言う。
「痛いと言う感覚がある生命体は、まだ良い方だ。その痛みを知れば、戦ってはならない相手を忌避出来る。しかし、それが分からない生命体は、懲りずに何度も戦い、その挙句は強い生命体の食用となる。まずは、痛感神経を持つ怪物が多いのがAゾーン、Bゾーンはその半分、Cゾーンは逆に少ないんだよ」
「ああ・・それで何度も襲って来た」
「だろう?そこで例えこちらが優勢で倒せたとしても、殆ど例外無く、奴らは再生する。また再生するとパワーアップするものも多い。それを回避するか、或いは駆逐するのかで戦略と言うものが出て来る。アカネ、お前はどうする?」
「うん、戦って、丸焦げにして食ってしまうよ、パパッチ」
「あっはっはは。アカネ、シンプルな答えだな。それでは、次に言うが、その感覚の中で五感と言うが、不味い、美味しいと言うのは食感だ。次に嫌な音、心地良い音・それが聴覚と言う。また匂いに関するものが臭覚なんだ。触るとごつごつしている、滑らかだと言うのが触覚、寒い、熱い、暖かい・冷たいもそうだな・・それが、五感と言うものなんだよ。それが揃って初めてA級の怪物と言うのが定義されてくる」
「じゃあ、パパッチ。まだA級の怪物には出会った事が無いけど、デマルクっていうのは何級なんだ?」
シンタが言う。




