第1章 俺達って何者?
「ところでな、いきなり現れた怪物なんかだと、こっちも咄嗟に対処出来ない事が多いじゃん、この際、アカネに少し分かった事を教えてやるよ、アカネもミミッチの扱いだけは抜群だし、切り刻み方によったら、全然味が違うんだもんな、旨かったぜ、今日のは特にさ。それと、生肉を食うと、恐らく体内活性っつうのかな、俺達の体に何かパワーがつく感じが断然あるんだけど、反面食って腹を壊した事もあるからさ。食える奴と、食えない奴を覚える事と、今の所は焼いて食うのが一番良いみたいだ。今では美味しく無い奴は論外にして、無理には食べないけどさ。それに食べても全然自分の体には良く無い気もするんだよな、まあ、腹は満たせても・・」
「うん、あたいも食べる気がしなーい。ママリンが食べ物は美味しく食べるのよって何時も言ってたから」
「ああ・・俺も、そう教わっていた。殆どはママリンが調理もしてくれていたからさ、パパッチは食料の調達掛かりだったしな。俺達が外でこうやって食べ物と言って良いのか、闘って来た中で、食える種類って言うのは少なかった。出会った20種の中では、今の所はカエルンパもそうだけど、ミミッチ、クァリキン、エラブロ、グワースの5種だけだな、やっぱり」
「うん・・そうよね、その5種だと思う。その中では、グワースが結構強い部類の怪物だよね。ピラリックより上かも知れないわね」
アカネが言うと、シンタも、
「俺も一回食われちまったんだよな」
「あたいは逃げた。真っ赤の体で、何か、薄気味悪い黄色い剛毛が体中に生えているんだもん、闘う以前に、気持ち悪かったからさあ」
「そうだよな、それにこいつには尻尾が生えていて、その先端から50センチの部位を切らなきゃ、何度でも再生する。変身はしねえけど、とにかくタフな奴だ」
「成程・うん、うん、参考になるよ、お兄い。それとさ、変身タイプの奴も結構居るのよね・・と言っても、まだ20種だけど、出会った怪物は。どれだけ居るのかな・・こう言う怪物達の種類って言うの?そう言う数的なものがさ・・」
「そこは分からねえ・・でも、『感車』って結構色んな怪物の名前を教えてくれるんだ。俺達が出会った後で、覚えたら名前が分かる仕組みらしいんだ。だから、俺達がこの先に進む以上は、とにかく闘うか、逃げるかだ。ここまで来て、相手が逃げた事は一度もねえけど、俺達が逃げきれない程足の速い奴も結構いたからなあ」
「あたいは、むしろ逃げて来た。確かに追いつかれはしたけど、ソードをぶんぶん振ってさあ・・怯んだ隙に逃げたんだ。だけど、それも闘いの選択肢だよね」
「おう、そうだな、それも正解だろう・・後は、食われて見るしかねえよなあ、やだけどさ、一番弱点が分かるからさ。だって、光って見えるもんな、急所がさ」
「そうよ、やだよ、その選択肢はさあ。無理なら逃げるよ、あたいは」




